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さて。
ここのところ、冬季一時金が支給されたらアルパカ・ニットを一枚自分に買ってやることにしている。 なんとなくこれを着てるだけで、「冬のよろこび」が倍増するように思うし。カシミヤなんぞよりも丈夫でへたらぬ。 バブル期から愛用している(かれこれ15年にもなろうか)グレイのアルパカちゃんがだいぶ年季入ってきていて、そろそろ2代目新調か?などと毎年思うのだった。安いお買い物じゃないのでじっくりかんがえたいし。 そこで。 吉祥寺の井の頭公園へ行く途中にある「大原商店」へ。 なんたってアルパカ・ニットの権威だからね、ここは。 こんなの探しているんだけどー、と希望を伝えてあれこれ見せてもらう。 対応してくれたマダムはもう20年ものの愛用品があるんだって。 ふー、わたしのなんかまだまだだわ。 「もうね、毎年着るから目は飽きてるけどこれじゃなきゃ!って着心地じゃない? だからやっぱり、同じの着ちゃうのよね」 そのとーり。 服は皮膚感覚で着るものなんだもん。 何はなくともとりあえず、着ちゃう。それであったかい。 虫除け以外あまり手がかからない(洗いすぎは却ってよろしくない)し。 で、今回はベビー・アルパカの透かしが入った黒、ロールネックにちょっと襟がついてるのを試着。 試着していると背後でなんだかじゃみじゃみとご機嫌声がする。 店の人たちもがっはっは、と笑ってる。ふーむ、元気のいい常連さんね。 などとかまわず着て「よし、これにしよ」とカーテン開けたら知らない人だけど見たことある人がそこに。 じゃみ声の主は、高田渡さんだった。 マダムが声をかけてくる。 「どーでした?袖丈」 「大丈夫。これにします。えっと、あのかた・・タカダさん、ですよね」 「そうなのー、ステージでうちの服を着てくれたりしてね。常連さんなのよ」 「最近インタビュウ、読んだばっかりで!」 「雑誌?」 「ええ、”酒とつまみ”っていうの」 「まぁー、せっかくだからサインでももらってっちゃえば!」 そこでカウンターでガハハ盛り上がってる彼らのとこに行き、セーターの支払いをし。 「このかたねー、インタビュウ読んだってよー。サインしてあげましょうよ」 (うひゃぁ。書くもの、あったかしらん) そこで急いでかばんの中身をあさるが紙らしいものがない。 「んー、サインかよぅ。いやぁ、おれはよぉ」 「でも、これでいいですか・・キューバ・ペソ」 財布にはこないだまで使うたびに悶絶したペソ・コンベルティブレがあった。これにしよう。と取り出して。 「おれぁ、オカネにサインするのなんて・・」 まあまあいいじゃないですか~、と周りの方が協力してくれる。 四つにたたんだお札をのばしてくれるひと、油性ペンを出してくれるひと。 あぁ、ありがたい。 そこ高田さんはちょっと照れながら(?)ひょろ、っと味 のある字を1ペソの上にかいてくれた。うれしい。 そのまま何ごとかつぶやきながら焼き鳥「いせや」の方向へ消えていかれた。 「いつも彼、いせやへの途中うちに寄っていくんで。エーガの”高田渡的”でもだいぶこの通りで撮影してますしね。 なんと、ウチの犬も出てるんですよ・・・たまたま映ったんですけどね、ふふふ」 何かみな、彼の話をするのが楽しそう。 いいなぁ。アイドルらしい。 「いつも、誰にでもあんな感じで。もう、完成されたキャラクターだよねぇ」 それもまた、いい。 こういう場所でうわー、と喜んで盛り上がってしまえるあたりも、 そして真ん中に高田さんのようなかたがいる、というとこが実に中央線らしい。 アルパカとキューバ・ペソと高田渡さん。 つながらないようでつながる気がする。 この例題で中央線といふ「解」はかんたんに求められる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 21, 2004 08:23:38 PM
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