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ひさしぶりに新本を買った。
「失踪日記」吾妻ひでお、イースト・プレス刊 今までの作品なら、やはり「不条理日記」がいいな。 これは中学高校んときのある種の仲間うちでの「合言葉」 みたいなもんでしたね。 シュールなのカッコイイぞって時代。個人的には。 (今も続行中かもしれぬが、よくわからん) この時期のまんがって、端っこにちょろ、っとSF風味が 効いてたりしてそのネタわかる人にはうれしい、っていうの 結構あった。これも小さな抵抗だったのね(涙) 「失踪日記」中の「街を歩く」編にそのへんが語られて いるんだけど「職業作家」の苦悩がこれでもか、とクールにたんたんと。 メジャー誌で制約を受け苦しむとこから自販機本へシフトしていく過程で 苦しんでる時期に「吊された男(と妻と猫)」、自由になりかけた時期に 「吊された男(逆位置)」が例のタッチで描かれてるあたりがある意味とても 「わかりやすい」。 全体的にすごいのは「ひとこまひとこまが完成してる」こと。 映画の絵コンテのような。 実体験を脳内のある位置に三脚立ててもう一度再現してる。 「吾妻ひでお」が「野宿の人」として暮らす様子。 徹底して「定点」から見て描いてるとこが、また。 これ読んで「どこで暮らそうと人は人と出会ってしまう」んだなーと思う。 最終的にそれで生き続けてるんだけど。 「アル中病棟」編。 彼、吾妻ひでお氏が入院されていた時期、わたしは仕事で(なぜこんなところを) その病院とおぼしき付近を歩いたことがある。 確かに「同伴散歩」する一行を野川の細い土手沿いに見た。 ひょっとしてあの中にいらしたかもしれないのね。 他の人のレヴューを見て即座に書店直行したなんて、初めてかなぁ。 なんかねー、好きな書き手を応援するなら新本で買わなきゃ、って思うのよ。 フェアトレード流に「売り上げの○○○円は著者のために」っていうの、 あってもいいのにな。 ここに語られてることはある意味「災害」だから。 「失踪日記」から脳内リンクした本。 「シティ・オヴ・グラス」/ポール・オースター 「夜になる前に」/レイナルド・アレナス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 10, 2005 02:04:25 PM
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