CASA DE SATCH UMINO

昨日新居へ行く途中、ちょいと回り道をした。
ファミレスを見て閉店まぎわの八百屋さんとお肉屋さんと銭湯の屋根を見てから内側の路地に入り、
酒屋さんの向かいにある家の前にあるものと「目が合った」。
いや、相手に目はなかったけど。
そこにいたのは「連絡済み粗大ごみ29日に回収予定」の貼り紙をつけた振り子時計。
ちょいと考え、いや待てよ。
これだけ今捨てる行為にパワー使ってんのに、人様の粗大ごみをどうしようてのよ？
頭をぶんぶん振って「ないこと」にしてみた。
それから新居へあれこれしに行き、
さて帰るかねーというときに、何を思ったかあたしはスーパーのでかい袋を納戸から一枚取り出した。
そのままさっきの時計の現場へ。
何気無いそぶりで(誰もいないのに)がさっとそれを掴み(おっ、重い)袋に入れてバス停へ。
生きてるのやらしんでるのやら。
バスに乗り込み時計をとなりに置く。
バスには三人しか乗ってない。
変な金属音がときどき、する。
(妙な着メロの人がいるもんだわ)
後ろの人を振り向くが、別に携帯使っていない。
はてね。
もう一度、カーブで音が。
駄目なハープシコードみたいなの。
「はっ、ひょっとして時計かっ」
再度信号でとまり。
でれん、ぢゃらん、じょらり～ん。
(なんだ、あんたかよ...)
さっき出会ったばかりの時計はいきなり主張をはじめた。
それにしても今まできいたことのない音！

ウチについて新聞ひろげてぞーきんでふいてやる。
相当古いやつ。
ぜんまいも中に入ってた。
文字板を拭いたら、なんと数字がにじむ。
よく見たらなんと万年筆かなんかで書いてあるのだ！
大笑い、しかも文字板の地は白い絵の具だった。
持ち主が後から描いたんだろうなぁ。
文字板の枠の切り口は粗いし、よく見りゃかなりの寄せ集め材料だ。
ずいぶんだいじにされていたのね。
先代の持ち物だったのかもしれない。

これからの処遇を考え中。