二代目のお嫁さんなり

若手職人さんのＳ君が、会社を辞めることになりました。
仕事を辞めるのは、仕方ないことなんだけど、
あまりにも突然のことにビックリ。
仕事もできるし、人あたりもいい。この仕事を始めて４年。
１現場一人でぜーんぶ面倒見られる位に成長して、
上司である旦那ちゃんや他の職人からも頼りにされて、
どんな困難な仕事も、キッチリ対処できるようになっていて
ハタから見たら一番やりがいのある時期、に見えてた。
先日、ようやく受験資格を得て、国家試験にもチャレンジしたトコだった。
それが突然、退職したい、と言われて絶句ですよ。

Ｓ君の奥さんが、自分のお父さんに相談し、
お父さん（Ｓ君の義父ですね）が、仕事を探してきちゃった。
「明日、一緒に面接行くから」と言われ、そのまま面接に連れて行かれて
仕事が決まったみたい。
しかも、奥さんの実家の近くの24時間稼動の工場。
工場の仕事をとやかく言う気は全くないけど、
４年頑張って、身につけてきた技術が全く活きない仕事かぁ･･･
と思うと、かなり残念に思ってしまう。
転職の理由が「夜勤手当てとか休日手当てとかがあって、手取り増えるから」。
基本給は、うちより格段に低いけど、手当てが出るから、という事らしい。
うちだって、残業や休日出勤したらしただけ手当ては出てるんだけど、
夜勤はさすがにないからなぁ。

なんだか、奥さんとそのお父さんが先走って仕事を決めてしまい、
奥さんのお父さんの紹介とあって、断れなくなってしまった、
という感が否めないんだけど、気のせいか。
なにせ、結婚が決まった時に奥さんに「おめでとう」って言ったら
「子どもも産まれるし、しっかり稼いでもらわなくちゃ」と
私に面と向かって言った奥さん。
結婚して始まった同居生活に「若いうちは別居していたい」と
家を出ることを決意、アパート暮しを強行している奥さん。
「若いうちは遊びたい」と、子どもだけを何日も実家に預ける奥さん。
人んちのことはどうでもいいけど、ちょっと泣けてきました。
若くて美人、でもこわいよ。

残ってほしくて、かなりの好条件を提示したようだけど、
それでも「夜勤手当て」に負けてしまいました。

結局、彼をひきとめるだけの魅力がなかったってことでしょうね。
奥さんやお義父さんからのススメを断るだけの魅力が。
せっかくの技術、もったいなーい！そして、ウチは大きな痛手。くぅ。
いろいろ反省して、いい会社にしていかなくちゃ。
せっかく育った職人が、すぐに辞めるようじゃなぁ。
旦那ちゃん、頑張ろうよ。

Ｓ君の新しい仕事が、順調にいきますように。
新たな出発を応援しつつ、心の中では「戻っておいで～」と
ついつい思ってしまいます。