二代目のお嫁さんなり

先日、若手職人のＳ君が退職した。
奥さんのお父さんが、新しい仕事を見つけてきて
基本給は安いけど、手当てがいろいろつくから、今の職場より
お給料がよくなるよ、という理由で。
彼に辞められては困るから、と条件アップもしてみたけど
義父の顔をつぶすわけにもいかず、惜しまれつつ辞めてしまった。
急に辞めると言われ、辞めるまで1週間もないまま
バタバタと次の職場に行く事になったＳ君。

そのＳ君が戻ってきました。

新しい職場に行ったのはいいけど、身体が拒否反応を起こし、
全身に発疹が出ました。
それが、水ぶくれのようになり、破けてカサブタ、ひどい状態に。
薬品を使うので、それが合わなかったのかな？と思ったけど
医者の診断は、環境の変化に身体が拒否反応を起こした、と。
こんな状態で、その仕事を続ける事ができなくなったＳ君。
旦那ちゃんの所に「戻りたい」と電話がかかってきました。
ウチとしては大歓迎。でも、向こうの会社をまだ辞めたわけじゃないから
向こうの会社と話をして、辞める時期が決まったら、もう一回電話を
してほしいと話しました。

その翌日。会社にＳ君が来ました。

「昨日、向こうの会社に

辞めたいと

話をしてきました。

そしたら、

じゃぁ今日で、と言われて、

辞めてきました」


･･････。もう辞めちゃった････。
結局、１週間で辞める事になったＳ君。

というわけで、戻る事になったんだけど、
さすがに、辞めるまで1週間もなくいきなり辞められて
大きな痛手だったうちの会社。
他の職人さんたちが、彼の穴を埋めるためにどれだけ必死だったか
どれだけ大変だったか、それを考えると
「正社員でいつでも来い」ってワケにもいかず、とりあえず
年内はアルバイトという形になりました。

季節は１２月。微々たる金額だけど、ボーナス支給月。
でも、Ｓ君はその前に会社を辞めてしまっているし
戻ってきたところで、アルバイトの今、ボーナスは出ません。
奥さんとそのお父さんに振り回され、身体を壊して医者にかかり
もらえないどころか余計な出費ばかりがかさんでしまったＳ君。
旦那ちゃんも私も、あげられるものならあげたいと思うけれど
そういうわけにいかないのが、会社というもの。
自分の意思を言わずに、キャリアを捨てて
言われるがままに転職しちゃったＳ君の責任もあるけれど
「手取りが増える」事を見越して、転職を進めた奥さんは
心中、穏やかじゃないだろうなぁ。

Ｓ君が戻ってきて、大助かりではあるけれど
ちょっと複雑。

でも、頑張って働いてね。
ガッツリ儲けて、みんなで潤おうね。