二代目のお嫁さんなり

昨日の夜、新聞を広げて思わず････
「ふ、ふ、福田繁雄が亡くなったぁぁぁ？？」と大きな声をあげてしまいました。

デザインセンスの全くない私ですが、それでもデザイン事務所に在籍していた事もあり
（仕事はデザイナーじゃなかったけれど、ナハハ）
有名どころのグラフィックデザイナーのお仕事は、勉強のためいろいろと見ました。
その頃は、まだまだインターネットなんてこんなにも普及していなくて、
デザイナーやコピーライターの仕事を見るには、１冊２万円もする年鑑と、新聞が頼り。
会社で買った年鑑を、何度も手にとり何度もめくり、勉強したことを思い出します。
福田さんのデザインは、いわゆるトリック・アート的なものが多く、
その世界では、ほんとに有名な方でした。
一度見ると、えっ、どうなってるの？とまず、興味をそそられ、
じっくり見ると、その緻密に計算された美しい線の描写とバランスに
こ、これが一流の仕事なのか････と何度も何度も繰り返し本を開きました。

東京オリンピックといえば、田中一光のあのポスターですが、
確か、福田繁雄さんは、競技マークを手がけたはず･･･。
私が生まれるずっと前に、こんな風にデザインという仕事をしていたことに驚き、
人々の記憶に残る仕事って、スゴイ････と思ったことを思い出します。

アイドルの名前を覚えるように、夢中になってデザイナーの名前と作品をリンクさせて
頭に叩き込んでいたあの頃。
何度も何度も年鑑を読み返し、デザインの大胆さと緻密さに心を打たれてきました。
今、活躍している多くのデザイナーさんたちも、きっと福田繁雄さんの影響を受けた
という人がたくさんいることでしょうね････。

福田繁雄さん、７６歳だったそうです。
日本のデザインの基盤を作り、先頭にたってデザイン界を引っ張ってきた人が
また一人、いなくなってしまいました。残念。

実は、このニュースをたどってあちこち見たら、年末に木村恒久さんも亡くなっていたことを知りました。木村さんは８０歳だったそうです。
神様みたいな存在のデザイナーが二人も相次いで亡くなったこともそうですが
まだまだ50代位の印象だった二人が、そういう年齢になっていたことにも驚きました。

そうだよね･･･私が彼らを知ったのは20年近く前ですが、
その頃、二人はすでにデザイナーとしては神様みたいな人だったもの。
なんて、改めて時の流れを感じたりしています。

亡くなった後も、多くの人を感動させられる仕事ってスゴイね。
デザイナーという仕事ってスゴイよね。

お二人のご冥福を心からお祈りするとともに、
彼らに影響を少なからず受けたであろう多くのデザイナー、
そしてデザイナーの卵の皆さんのこれからの活躍に期待します････。

追伸：新聞を読んでいて「福田さんが亡くなった～～！」と叫んだ私のもとに
「えっ、福田さんが死んだの？？」と駆け寄ってきたしゅんぼー＆りょうさま。
いや、君たち、福田さん知らないでしょ･･･と思いつつ、
二人のその慌てぶりに笑ってしまいました。