行政書士の未来(1)
話によると今年の行政書士試験合格率が、かなり低いらしい。昨年の合格率が20%近かったのにどうしたことか?当局は、受験生の質が低下しただけだと言っていたが、今年の試験は、昨年に比べて難しかったという話を聞く。なんか胡散臭くないか? 俺は、昭和62年度、平成7年度の試験に不合格し、平成8年度試験に合格して、平成9年にようやく行政書士登録した。バカだからしかたがないが、ものすごいエネルギーを浪費したと思う。今回の試験に備えて、まじめに勉強した不合格者のフラストレーションは、相当なものになると思う。 俺が受験した当時も択一が、8割できても論述が59点で不合格という方がいて、結果発表の後、荒れていた。よく大東亜戦争後、「特攻隊くずれが暴れた。」という話を聞くけれどもそれに匹敵すると思ったものだ。試験主催者が、都道府県から、財団法人に代わっても相変わらず不透明だ。 昨年、合格率が大幅にアップしたため、今年は、本当に開業者が多かった。行政書士登録証交付式に60人出席とか本当にすごかった。東京会は、2年前の入会金の値上げ、昨年の会費の値上げに加え、俺が、当局に3年前の総会で「値上げする前に会費滞納者を粛清せよ。」と迫ったため、内容証明や少額訴訟、支払命令などシビアな債権回収が推進され、財政状態が、本当に良くなった。今後は、単式簿記的な金使いを改め、内部留保やお粗末な会員の福利厚生をしっかりさせなければならない。 行政書士開業者が増えると「資格の質が落ちる」という輩がいるが、そのような事実はない。はっきり言って今だって質が良くないと思う。開業時にいろいろな事務所を表敬訪問したが、行政書士の家に生まれなくて本当によかったと思ったものだ。「いい事務所」も確かにあった。でも、司法試験くずれや偏屈なおじさんが、「先生」と呼ばれ、役所の指示に従って、まったく創造性のないマス埋め作業を日がな一日やって「行政書士至上主義」に耽ったり、建設業者に「建退協に入れ」とか「社会保険に入らないと経審のポイントが落ちる。」とか言っているくせに自分は、国民健康保険・国民年金、従業員は、社会保険なしだったりするのには情けなさを感じた。 先生がお客より貧乏になる「アリとキリギリス」、他人に社会保険を勧めながら自分は加入しない「二枚舌」、本当にナンセンスだ。逆にだめな同業者が多いということは、存分に力が発揮できるということだから、反面教師としてがんばろうと心に決めたものだ。 また、その時分、先輩方には「ちょっと頑張ればすぐに先輩を追い越せるよ。」と言われたものだ。なるほど、行政書士業が、社会保険事業主負担分も出し渋るような業界ならば、いわゆる衰退産業と同じだ。ということは、あんまり優秀な人がいないから、ちょっと頑張ればビッグになれる。いうことで、「行政書士は、食える仕事ですよ。」「実力新人よ来たれ!」と結んでおく。