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テーマ:国際恋愛(198)
カテゴリ:アメリカでの生活のこと
今日学校から帰ってきたら、ちょうどダーリンとNYに住むダーリンの叔父さんが電話で話してました。
叔父さんは直接は血のつながりの無いダーリン義弟のことを心配して電話してきてくれたようでした。(叔父さんはダーリン実父の弟で義弟はステップファザーの息子) でも、私もダーリンもあまりこの叔父さんを好きではありません。 理由はこの叔父さんがとてつもなく「エリート主義」だから。 ちなみに、アメリカにはホワイトカラーと呼ばれる職業と、ブルーカラーと呼ばれる職業とがあります。 俗に言うホワイトカラーとは、教育を受けていないと得られない仕事のことで、ダーリンの両親、ステップファザーはこのホワイトカラーに属します。 一方ブルーカラーとは、学歴が無くても出来る仕事のことで、タクシーやバスの運転手や、長距離トラックの運転手、一部警察官やマリーンやネイビーも含まれるそうです。 いつも叔父さんから電話が来ると、最初の2分くらいは穏やかなのですが、だんだんとダーリンのことを批判し始めるのです。 叔父さんがいつも言うのは、 「お前は何のために大学で勉強してるんだ?ブルーカラーの仕事をするために大学があるわけじゃないだろう?大学卒業したらタクシー会社なんて閉めて、NYで私の会社を手伝え!」 ということ。 叔父さんはNYでヨーロッパの食材や雑貨を輸入してスーパーなどに卸す会社をしています。叔父さんは、この仕事を大学卒業と同時に始めて、かれこれ20年。自分の会社にとても誇りを持っています。 でも、それと同じようにダーリンも自分の作った会社に誇りを持っています。 私にはどうしてそういう職業差別があるのか理解に苦しみますが、多くのアメリカの差別主義者たちや、あるいはアメリカナイズされた日本人はそういうブルーカラーの仕事をしている人をルーザーと呼んだりしています。 でも、本来ルーザーとは、負け犬ということなので、どんな仕事でも一生懸命働いて稼いでる人はルーザーではありません。逆を言えば、どんなに学歴が高くても、就職もせず、だらだら怠けているような人はルーザーなわけです。 ダーリンは叔父さんに何か言われるといつも言うのが 「大学卒業して、タクシー会社を経営してるのは恥かしいことなのか?自分は今、大学でビジネスを学んでいて、それをタクシー会社という形で現すのは恥かしいことなのか?」 といいます。 いつもはそういった論議のようなケンカになります。しかも叔父さんもダーリンもケンカになると途端に声が大きくなるので、すべてまる聞こえです。 でも今日は少し違いました。 ダーリンが叔父さんの一言で凍りつきました。 「どんなにえらそうなことを言ったって、そんなブルーカラーの仕事で、サトを幸せに出来ると思ってるのか?」 裏を返せば、ホワイトカラーじゃないと私を幸せにできない、と言う感じでした。 しばらく黙っていましたが、ダーリンは凍りついた表情のまま 「外線がはいったから切る」 と一言言って電話を切りました。 「ダーリン、私は、自分の会社や仕事に誇りを持ってるダーリンが大好きだよ。不本意な仕事をしてるダーリンは見たくない。」 ダーリンの凍り付いてた表情が溶けました。 私は、相手のお金や仕事が自分を幸せにするとは思っていません。もちろん、お金や仕事は大事ですが、お金のことは私が働けばどうにでもなることだし、人を幸せにするのは人しかないと思っています。 でも、外見や職業、お金を気にする人、本当に多いのが世の中。 ダーリンは私とダーリンが生活するのに大丈夫なだけ稼いで、学生もしています。そして、彼は小さいながらもれっきとした一国一城の主です。 NYの叔父さんのように、はたから見たら、無学な人がする仕事だから、ルーザーなんて思う人もいるでしょう。 でもそういう差別意識のある人は、所詮外見は見えても、もっと大事な「人」が見えていない、哀れな人なんだな、ということが解ります。 「人の豊かさは、ブランド品やお金や仕事では測れない、自分の葬式のときにどれだけ多くのの人達が心から泣いてくれるかで決まる」 これは大学のときの教授が言った言葉です。彼はある程度、徳の高いご住職で、社会的地位の高い人のお葬式から普通の一般家庭のお葬式まで、数多くこなしてきたそうです。 世の中いろんな人がいるのはわかるけど、人の外見だけ見て、人を見ない人間だけは減少していって欲しいな、と思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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