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テーマ:海外生活(7772)
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最近、日本の大相撲も世界のグローバル化の影響で、多国籍な力士たちが多く在籍しています。
以前は小錦、曙、武蔵丸といった米国ハワイ勢が多かったのですが、最近は、横綱・朝青龍をはじめとするモンゴル勢、グルジア、ロシア、ブルガリア、エストニア、韓国など多種多様になってきています。 数日前の大相撲名古屋場所での出来事。 大関・千代大海関と相対したロシア出身の露鵬関。 立会いざまに大関に軽く張り手をかました露鵬。 しかし、露鵬の張り手は大関の顔に入ったものの、すぐに大関に廻しをとられ、そこからは大関の電車道のごとき凄まじい寄りに圧倒され、そのまま大関の寄りきりの勝ちでした。 その時、露鵬はうまく自分の相撲が取れなかったことが悔しくて、負けたことが悔しくて、土俵の下から大関を睨んでしまいました。 大関千代大海は、自分より格下の力士に顔面張り手を受けて、気が荒立ってるところで、そのうえその格下力士に土俵の下から睨まれて、よっぽどムカついてしまったのでしょう。わざわざ土俵下まで降りて、負けた露鵬に対し 「なんだ、コラァ!」 と凄んで、挑発的な言動を行いました。 その時は、露鵬もぐっと抑えましたが、その後千代大海と風呂場で鉢合わせした時に(大相撲の場合、相撲をとり終わった後、みんなお風呂に入る)、露鵬が千代大海に 「大関、これからもよろしくお願いします」 と歩み寄りの姿勢を見せたにもかかわらず、千代大海は露鵬を完全無視。露鵬にしてみたら、「負けて悔しい」+「千代大海の土俵下での言動」+「無視」という3つのマイナス面が合わさってしまって、怒りが抑えきれなくなり、風呂場のガラス戸を割ってしまいました。 その後、北の湖理事長から露鵬と千代大海に呼び出しがかかり、二人とも起こられるハメに。 その後、露鵬にインタビューを求めようとした新聞社のカメラマンが露鵬の平手打ちにあい、全治4日の怪我をしたとのことでした。 その後、その件について、露鵬は日本相撲協会から処分が下され、3日間の本場所出場停止、となりました。 このカメラマン平手打ちの件に対して、露鵬本人は 「すぐ近くでフラッシュをたかれてビックリしててで払いのけただけ。悪気はなかった。もうこのようなことがないように気をつけます。」 と反省していました。 私はこの大相撲の事件を知り、ネットで色々見てまわっていたら、本当に多くの人が、心無いことを言っていたので、とても驚きました。 この事件について、多くの人が 「外国人は日本の伝統を重んじられない。国技を地に貶めた」 とか 「野蛮な外国人は相撲協会から追放して、国外強制退去にでもするのが妥当な処分」 とか 「外国人に日本の風習や文化なんて理解できるわけがない」 などなど。 偏見で外国人力士を見ている人が多いことがわかりました。 一度でも長期で海外に住んでいたことがある人、あるいは海外に永住している人ならわかると思うけど、自分の母国以外の国で長きに渡って住むということは、並の努力じゃ無理ですよね。ましてや、その国で成功しようと思っているのなら、その国の人たちの何十倍だって努力しないといけません。 中には、そんなに努力しなくてもうまく行く人もいるかもしれないけど、そんな人はごくごく一部の天才さんだけ。 でも、そんなことを理解せず、何かあるとすぐに 「外国人は○○だからダメだ」 とか 「日本になじめないなら、自分の国へ帰れ」 とか軽々しく言う人がいます。外国人は外国人なりに、その国に溶け込めるように努力しています。 大相撲の外国人力士の方などは、短期間で日本語をネイティブ並に理解できるようにならないと、相撲教習所(入門したての力士は数ヶ月間そこで相撲の伝統&歴史や簡単なスポーツ医学などを学ぶ)には入れません。みんな血のにじむような努力をしてることと思います。 でも、そういったことを見ないで 「外国人には日本の伝統文化や風習なんかわからない」 と勝手に決め付けられ、上記のような事件のときに、ここぞとばかりにバッシングにあいます。 今回の事件でも、多くの人は露鵬のバッシングを書く人が多いのに比べ、大関千代大海の土俵下での問題発言などはあまり取りだたされていません。 何故なんでしょう? 時々、「外国人には日本の伝統文化や習慣は理解できないだろうな」というのを聞きます。 これは、裏を返せば「日本の文化は特別で類まれなものだから、特別な文化で生まれ育った日本人にしかわからない」といってるのと同じです。 何でそんなことがいえるのでしょうか? 私は今、アメリカ南部の田舎町で暮らしています。人口30万人強の地方都市です。だから、保守的なレッドネックがたくさんいます。その人たちにイライジャが、 「サトのチリとコーンブレッドとジャンバラヤはとても美味しいんだ♪」 といったら、 「アジア人なのに作れるの?!」 とみんな目を丸くして、半信半疑でした。 外国人である私が、南部の伝統料理を作れるわけがないと思っていたようです。 外国人は外国人なりに、その国に溶け込もうと頑張ってるんです。そりゃ、理解に苦しむことはありますが、それでも受け入れようと頑張ります。でも、その努力も 「どうせ外国人は○○・・・」 と偏見で見られたりすると本当に悲しくなります。 みんな口では「国際化社会、グローバル化」なんていっておきながら、そのくせ中身は、コンサバティブで保守的なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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