西田俊也 『ただの楽園にて』世界でいちばん淋しい遊園地 5
角川書店の文芸雑誌・野性時代10月号掲載。社会の底辺で生きる人たちの混沌とした日常、今までの作品と違い、リアルで生臭い、そんな中でも語られる昔の女との過去、こんなどうしようもない男にもある人生の思い出。過去への哀愁いっぱいの甘い作品ばかりだったのが、今回は意外でした。うっかりすると読みとばしてしまいそうですが、よく考えると、いろいろ見えてきて、内容が濃いです。この短編連作シリーズは面白いです。ファンになると、より面白いものをと期待しすぎて、がっかりしたりするので、気をつけたいです。