黴菌 *グロテスクが苦手な人は見ないで下サイ
今日は学校が終わったら歯医者の日一体神経までイっちまったオレの奥歯は今後どうなるんだろう。思い返せば去年から歯医者へ行け、と学校から言われてたなあ。歯科検診で。今日で行くのは3,4回目。もう流石に痛くは無いけどどういう改良を遂げるのか。滅多に歯医者になんか行かない(行く暇もなかった)オレは夏休みの終盤から歯医者に通っている。結果銀歯に進化。スゲー。ツルツルしてる。痛くねー固ェー銀だ銀。変な感動を覚えつつ家の方向に自転車の向きを合わせれば、すぐ其処には学校。少し近付いて思い出す。「・・・あ、金卸さなきゃ。携帯料金・・」そういえばさっきからメールしているあの子はまだ校内に居るのだろうか。ふと思い返せば学校の目の前で自転車を停めて、カチカチと携帯を打ち始める。そこで視界に入ったもの電柱のすぐ横の―――――死体…?近付けば、鳥の死体がオカシな方向に首と羽を向けて不自然に何かに抉られたような…痕何の鳥だろうふと、今日の6限目の英語の授業で耳に挟んだ会話を思い出す「○○って素手で鳥捕まえられんだぜ?」「え、嘘でしょ」「マジだって、アイツほんとに追っかけて捕まえるぜ?」「こないだ野球部の練習中、グランドに居て邪魔だったから捕まえたんだってよ。あの汚い色の」「人間に移動させるとかどれだけ高慢な鳥さ」「茶色いのでしょ?あれ赤ちゃん鳥なんだって」………まさか、な見れば目の前の亡骸も、土塗れで黒ずんでいるとはいえ 茶色だ――――一体、捕まえたあと 何処に放したんだろう嫌だ考えたくねぇそのままゆっくり手を伸ばせば、その手でその潰れた羽を畳んで電柱のすぐ後ろ、陰になっている草むらの上へそっと移動させたヒト気は、無かったいつかの雨の日、曲がり角の坂、車からすれば登ってすぐ、視界に入るか入らないかの際どい位置に 血まみれで潰れた子猫の死体あれもフラリと道路へでて、歩道の向こう側に移動させたっけなあれ以上潰れた其れを 見たくはなかったから…確か、中3の時「どうにか隠せねぇかな・・・」ふと思いついて、周りに生えている雑草をむしり試しに乗せてみた大丈夫だ、充分隠れる。ブチブチと根ごと抜きながら、その全てが満遍なく隠れるまで乗せた利き手が草と多少の砂塗れになったあと、ふと我に返ると同じ制服を着た人間が横を通るのが視界に入った全部隠せたあとでよかったこんな所で何をしてるんだろ、という目で此方を見るが。視力の関係でぼやけてしか見えない相手は例え同級生の顔見知りでもわからない。先輩か後輩か、なんて もっとわからない。携帯の振動が伝わったどうやらOサンは校内の図書室に居るらしい呼んでしばらくしたら姿が見えた『よっ』「よ、吟さん」『久々に動物の死体見たぜ…』滅入ったようにオレが視線を遣る先には、到底先程までの光景など無く小首を傾げてOサンは言った「・・・どこに居たの?」『そこ、に居たのを移動させて隠した』「偉っ!」・・・・・・・・・・・・・偉?偉…い、のか。そうか。え、そうなのか?まあいいや。どうやらOサンは今日期限の提出物を一度家に取りに帰ったのを学校で待ってたらしい。て事は今すぐは出れねーじゃねぇかとりあえず、バスでくるらしいからバス時刻を拝見向こう側の歩道に渡ったOサンが「ココにも鳥の死体あるよー」と叫んでいる。マージかよ。促されるままに道路を渡り目の当たりにした光景さっきのと同じような鳥、て事は・・・小鳥か丁度そこはバスが停まれるように造られた広まったスペース。故に見事にぺしゃんこ。・・・・て事は待て?バスが来るたび轢かれてんのか・・・・・?やめて下さい(?どうしても見つめると手が伸びてしまうOサンも心なしか近付くオレを見て動揺してる同じように、羽を畳んでゆっくりと持ち上げる幸い、頭が落ちる事も無く。見えていた紅い内臓が其処に残りもせず。といっても雨上がりで道路は濡れていたから、もしかしたら血痕があるやもしれんがそんな事を巡らせながら、その手に収まったモノを持ち一歩踏み出す・・・何処へやろう?近場で・・・目立たなさそうな所がない――――あ、柵の向こう次の瞬間、病院の柵の向こう側の庭へinフライ(タンマその行動にも驚きを隠せない様子(そりゃあな『大丈夫だ、草むらに放れば自然と虫が食って無くなる(骨以外はな』「・・・吟サンは見世物になってるのが可哀想でやったんじゃなくて、肥料にするためにやったの?」『いや、違う違う。あれ以上潰れたの見たくねェだろ』この子もまた面白いな『動物愛護家だから(自称』「優しいね。でも優しさだけじゃ触れないよね」ん?ああ、そうかもな。並の女には出来ねぇよな。(其れは自覚済み)さて、自己満足もしたしそろそろ当初の目的を・・・『アイツ、何時に来んだ?』「バス時刻は(16時)25分。でもどうだろ・・・チャリで来んのかなー・・・吟サン銀行閉まっちゃうよね、早めに行かないと」『ああ、6時閉まりだっけ』「あ、うちらは連絡とれんじゃん。先行ってる?」『・・・そうだよな、両方携帯持ってるもんな(彼氏が携帯無し)じゃあ先行ってるわ』自転車のハンドルを握ろうとした瞬間こんな事を言われた「吟サン、どっかで手ェ洗った方がいいよ?バイキンだらけだよ」普通のヒトの、一般的な意見 は こうなんだろうそう思ったバイキン、か何故かその言葉が脳裏に離れないまま走り出した先には生きてる白い大人鳥「…やっぱ生きてる方がいいよなー…」惰性だけで進む自転車に身を預けながら思わず手を伸ばす先可愛いそう思った。素直なオレの感情途中、目立たない草むら寄りの陰に今度は黒い肉片が『カラスー・・・・!!』カラスごめん、オレ今停まれないんだそこなら滅多に車通らないし歩道と反対側だし草むらのすぐ横だから・・・頑張って!(何を無事、銀行について金卸して建物の中に入って、コインロッカーに荷物詰めて『・・・・・100円玉が無い』二階上へ登って自販で茶ゲット金が砕けたところで同じ階段を降りる階段の手摺りに当たり前に滑らせるその左手――――バイキン手を浮かせて、此方へ戻してあの冷たい羽の温度を泣いているようにしか見えなかったあの姿を思い出したら自然と拳を握っていて人間如きにこんな事、赦されて良いのだろうか何て、歪んだ思考回路を止まらぬままぐるぐると巡らせてもただ切ないだけで、儚い命----------------------こんな暗い話夢落ちじゃなくてスンマセン。かと言えばフィクションでもなく正真正銘今日の出来事w(動物の死骸を素手で触る奴一名/消えてフフ、スンマセン(何が