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カテゴリ:日々を楽しく
お香屋さんで開かれている体験香席に行ってまいりました。
香道にはずっと前に興味を持ったのですが、その場で和歌を作って筆でさらさらと書けないといけないのかしらとか、足がしびれそうとか、敷居が高く感じて、触れる機会がないまま今まで過ごしてきました。何箇所かで体験教室があると知り、洋装なら白いソックスのみ持参すればよいとのこと、ともかく一度体験してみようと思いました。 定員いっぱいの老若男女がいらしていました。香道に関心のあるかたがたくさんいらっしゃるのですね。香木について実物を見せていただきながら、説明していただました。正倉院の蘭奢待は沈香と聞いていましたが、黄熟香というものだそうです。白檀も沈香も良質のものが少なくなってしまって、植林など試みられているけれど、環境ごと守らないと昔からのようなよい香木はできないそうです。 香道には志野流とお家流がありますが、私が参加した日は志野流でした。初めてなのにあまり作法に気を取られると香りが聞けなくなってしまう(「嗅ぐ」ではなく「聞く」といいます)ので、略式ということでしたが、一応硯をひとつずつ取ってまわす作法などうかがって、いざ、となったら、これはどうするのだったかしら?と、あやしくなってしまいました。 源氏香といって、5回香炉が回ってきたもののうちの同じものを当てる風流なゲームのような形式になっていますが、当てることそのものは目的ではありません。ちなみに私ははずしました。墨を擦って自分の名前と源氏香の図と名(52通りの組み合わせに、源氏物語の桐壺と夢の浮き橋を除いた名がつけられている)を書かないといけませんが、和歌はなかったので、ご安心を。足のしびれも、足を多少くずしてよいときには「ご安座」のことばが伝言ゲームのようにまわって来るので、なんとか大丈夫でした。 ちょうど香道に打ち込む女性が主人公の、宮尾登美子さんの「伽羅の香」を読んでいるところで、極めるにはお金も時間もかかって大変なんだなあ、とため息が出ますが、そこまではいかなくても、静かにえも言われぬ香りを聞くひとときを週に一度か、月に一度でも持てたらいいですね。 白檀や沈香には実際心を落ち着かせる効果その他薬効もあり、漢方でも使われています。昔の武将が兜に沈香を薫きしめていたというのも、万一のときのたしなみという他に、戦場でも冷静さを失わず的確な判断ができるようにだったのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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