|
カテゴリ:本
東京新聞の記事を見て、そんなことになっていたのかと知ってから2、3年たっているでしょうか。 最近年齢のせいなのか、時の流れがどんどん早くなる感じで、去年のことだと思ったらもう一昨年のことだったりするもので。 東京に住んでいた頃、自転車で何度か買いに行ったことがあるパン屋さんがありました。 「こんがりパンや」というお店でした。 住宅街のご自宅の玄関を改装して小さなお店にされていて、入っていくと、奥から出てきて応対してくださったので、何度かお会いしたことがあった女性が亡くなられて、ホームレスのためにパンを焼くことおつれあいが引き継がれ、さらにご自宅を子供食堂に解放されていることを、その記事で知りました。東京にしては広めのお庭のあるゆったりしたお宅だったように記憶しています。 開店している曜日と、私がパンが欲しい曜日とが一致しなくなって、2、3年行かなくなっていたのですが、続いているものと思っていました。ある日買いに行ったら、明治生まれの父の介護の時間を増やしたいので曜日を減らしますという内容の張り紙が門に貼ってあって、明治生まれというとおいくつ?と思うと同時に、買えなかったのを残念と思ったものの、それから行く機会がなかったのでした。 今はわかりませんが、当時は池袋近辺には昔ながらのパン屋さんはあったものの、材料にこだわるおいしいお店は他になかったので貴重でした。昔ながらのパン屋さんも、それはそれでいいのですが。 余談ですが、京都にはこだわりのパン屋さんがたくさんあってびっくりしました。 奥様の志を継いだ「あさやけベーカリー」の店主であり、「あさやけ子供食堂」の店主でもいらっしゃる山田和夫さんが本を出版されたことも新聞記事で知って、読んでみようと思っていたのですが、なにしろ積んである本がたくさんあって、いまになってやっと読みました。 ![]() 本を開いて最初の方から、同じ価値観を持ち、よいアドバイスをしあったり協力したりする、仲の良いご夫婦だったのだな、と感じられて目頭が熱くなりました。 お庭のハクモクレンが咲くと、花を眺めながらゆったりくつろげるカフェも開かれていたそうで、その季節に行ったことがなくて残念なことをしました。 今は日本だけでなく世界的に、コロナもありますがそれ以前から格差・貧困が広がってギスギスした社会になっている気がします。そんな中で、善意のタネが、最初は小さくても、だんだんと枝葉を伸ばして広がって行ったら希望が見える気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|