|
カテゴリ:雑感
母が天に召されてから、早1ヶ月が過ぎた。そんな折、香典の意味を考えてみた。
日本人には「困ったきとにはお互い様」という精神があり、その精神から「香典」やその香典へのお返しの「香典返し」が始まったとされる。 香典は、かつては香奠と書き、香を供え、捧げる、という意味で、香典や供花は贈る側の意思、弔意の表明であり、受け取る側の事情によるものではない。 その起源は釈迦入滅の際に弟子達が香木を持ち寄り茶毘に付したとされ、香奠は、葬儀の際に故人に所縁の深い人が香木を持参し、霊前に焚いて供えたことが始まりといわれている。仏教儀礼に欠かせない香は仏教伝来と共に日本に伝えられた。 香は仏様を供養し身を浄める意味と、香の立ちのぼっていく煙にのせて仏様を送り迎えする意味とがある。 香典はやがて、香の代わりに供える金品となり、香・線香の代金という意味で、現在では、喪家は葬儀や法事で思わぬ出費があるため、その一部を香典として提供し、喪家の負担を軽減をする意味に変わってきています。 元来香典返しは「香典には香典で返す」という考えだったが、近代化・都市化が進み、この香典への感謝を込め品物を贈るような習慣に変わっていった。 なので、香典返しは必ずしなければいけないということではない。 香典の意味は仏に手向ける香の代わりなので、お返しをする性質のものではないし、本来、香典は霊前に供える物であるため、香典返しは必要ないという。 まぁ、儀礼的には返すのが本当かもしれない。 本来の意味からすると、いくら近親だからといって香典返しを期待したり請求したりするのは、欲張りな世間知らずと言わざるを得ないだろう。 「私には幾ら返ってくるよね」と、一人だけそんな身内がいたので、ここに書いてみた次第だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.03 17:59:01
コメント(0) | コメントを書く |