去年、乳がんと診断された頃のことを書いています。
告知直後は、なったものはしょうがない、病気を糧に更に飛躍しようと、努めて明るく前向きに受け止めた私でしたが、時間の経過とともに気持ちが沈んでいきました。
一つは、前々回ムラキテルミさんのことを書きましたが、自然療法や食事療法などの情報がいろいろ入ってきたら、選んだ治療がそれでよかったのかと迷いが生じてきたこと。
そして、乳癌の闘病している人のブログを読んでいたら、がんばろうと明るく思う気持ちとは裏腹に、思うように回復していかない辛さが伝わり、息苦しくなってしまったこと。
癌はやはり、大変な病気なのでした。
そんな大変なものに私はなってしまったのでした。
そう思うと、だんだんと深刻に心は重く沈んでいきました。
そしてもう一つ。
実は私はなまじっかスピリチュアル大好き人間だったのです。
乳癌かもしれないと思った頃にタイトルに引き付けられて買ったのが、ディーパック・チョプラ博士の「あなたは「意識」で癒される」という本。
写真を見ての通り、帯に大きく「なぜ、癌が自然に治る人がいるのか?」と書いてあります。その下には小さい文字で「意識だけで乳がんが治る」との内容項目が・・・。
読んでみると、スピリチュアル本というよりも、医学博士が書かれるだけあって、学術的で理屈っぽく、私には難しくて途中で挫折してしまいました。ただ、思考や考え方が体に影響を及ぼすことは理解できました。
癌の自然寛解という言葉も心に残りました。
思考や考え方を正常に戻せば、癌細胞も正常化する、奇跡と言わわれることもあり得るのです。
そうするとですね、どんなふうに意識を、思考を正しく持っていけばいいか、それまでも自分なりには何事も前向きにとらえて感謝の毎日を送っていたはずなので、これ以上どうあればいいのか、わからなくなっていきました。
そして、心配してくれる友人の温かなアドバイスから、胸をさすりながら癌細胞さえも愛し慈しむように「ありがとう」と言葉をかけ、以前本を読んで知ったホ・オホノポノの「ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛しています」を唱え、笑いが大切と聞いたら、きみまろの楽しいビデオを見て笑い、瞑想をし、走って、ピアノを弾いて、感謝して眠りにつく・・・
いいと思うことは、なんでもまじめに取り組んでいきました。
こんなふうに前向きに取り組んでいけば奇跡が起こるかもしれないとほのかに期待して・・・。
でも、期待する気持ちとは裏腹に、奇跡を起こす力は私にはないと恐れる気持ちがありました。
信じたいけど信じられない。
こうすればいいと聞けば聞くほど、そう実践しても自分には期待通りの成果を出すことができない。
私には無理かも・・・
悶々とする日々でした。