ところ変われば・・・
生まれも育ちも蝦夷(北海道)である私は初めて大阪の会社に就職 した時、同僚が ”アホか、お前は” などアホ、アホを連発するのに 戸惑いました。 関西ではアホを軽く使います。そんな深い意味を持 たずに会話の中、特に友達などを相手に結構頻発します。 「バカか、お前は」とはニュアンスが違うと思います。バカ呼ばわりは ちょっときつい。かつて”バカヤロー”と国会で言ったために国会解散 に至った首相もいたくらだ。バカというのには侮蔑軽蔑の意が含まれ ているのではあるまいか。 特に関東にお住まいの方たちには「アホ」も「バカ」も同程度な蔑視言葉 として映るのではないだろうか。 かつて大阪に藤山寛美という喜劇役者がいた。今はその娘の藤山直美 がいい喜劇の味を出してオヤジの跡を引き継いでいる。その藤山寛美氏 曰く、アホは若くないと演じられないそうだ。つまり笑った時でもゆで玉子を 剥く様にツルリとしていないと美しさがでない。年を取ると分別くさいシワが 出来てアホ役が演じにくくなる。アホがカシコをやっつける面白さがすらり、 カラリと表現できないそうだ。そうかも知れないねェ~ 「馬鹿(バカ)」の由来は知ってますか? これも中国からだそうで秦の宰相 趙高が部下の忠誠心を試すべく、一頭のシカを連れてきて”これはウマだ” と言った。”いえウマでなくシカです”と答えた人間をことごとく処刑したと 言うから笑えない。物事は状況に応じて適当にやれ、それが出来ない奴 はバカだという故事だとすればこいつは困ったことだ。 先日近くの図書館でボランテイアの仕事のテキストで使うべく谷川俊太郎氏 の一篇の詩を備え付けのコピー機でコピーしようと図書館員(司書?)に申し 込用紙に書いて出した。ところがその頭ハンジロのおばちゃんが全部はダメ です。一部ならいいですけどと言う。詩の一部をコピーしてもどないも使え ないのでカクカクシカジカで悪用する訳じゃないからいいでしょ?と言っても 著作権があるからダメだの一点張り! ”あんた、アホか、こんな詩を一部分 だけコピーしても使い道がおまへんやろ” というと”私はアホではありません” ときた。 ”あんたなあ~それじゃ私がこの本を借り出して上(別の階にボランテイアも 有料で使えるコピー室あり)でコピーするけどそれはどうなん?”と言うと ”どうぞ!”という。要は自分達の管轄する図書館内では書作権を侵害する ような行為は見過ごせないが他所でやる分には構いまへんという態度。 誠に以て自分の責任さえ果たせば他所のことは関知なしという役人の典型! 私が司書なら多分その用途と人品骨柄を勘案してコピーを許可するであろう。 という事は私はお役人の仕事は向いてないということに違いない。尤も一度 たりともお役人の仕事をしようなどと思ったことはありませんけどね。