海への誘い（うみへのいざない）

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天川村の名水「ごろごろ水」を飲みに行った。
喉が渇いていたからか、
岩から流れ出る水を手で掬って飲むと、
ほんのり甘い感じがした。

ごろごろ水を汲んで帰りたいなぁと言っていると、
「ごろごろ水をペットボトルで売っている所を見つけたよ！」
「買って帰る？」
「買って帰ろ！」
子供たちが口々に言う。
それで、帰る間際にその店を訪れた。
「よしっ！水を買って帰るか！」
でっかいペットボトルを買って帰ろうとすると、
どうも子供たちが浮かない顔をしている。

妻が他の店から戻って来て、
「子供らが水だけ欲しい訳ないやろー」と言う。
店内をよく見てみると、
キャラクターや色とりどりの瓢箪型ペットボトルが売られていた。
ああ、なるほどねー。子供たちはこれが欲しかったのか！？
子供たちの気持ちを察することができなかった。
空気の読めない父は、２Lのペットボトルを手にして喜んでいたのだった…。

しかし、これはよく考えたもんだなぁ…！