海への誘い（うみへのいざない）

ここ数年、道具を育てるという事を念頭にモノを購入している。
若い頃には考えられなかった事だ。
革の鞄、鉄板、鉄釜、帆布のザック、伊勢木綿のTシャツ、剣鉈…。
子ども達と冬休みに「道具を育てる」と言う話をした。
モノを大切に長く使っていると味が出てくる。
革の鞄や鉄板を育てるという感覚は何となく理解できたらしい。
でも、このオイルコットンのジャケットを育てるのは理解できない。
「それは違うやろ」と言う。
服を育てると言う感覚は理解できないらしい。
服は着古すと言う感覚だからだ。
この「道具を育てる」と言う感覚は、
大人になったら少しは理解できるようになるだろうか。