海への誘い（うみへのいざない）

朝から大雨が降り続いていた。
車窓にも激しい雨が叩きつける。
駅に降り立った時もどしゃ降りだった。
雨の中、定期船を待つ。
定期船は出るのだろうか。
島に降り立った時も大雨は降り続く…。

移動するのもテントを張るのも活動するのも億劫になってしまう。
いやいや、こんなことではアカン！
雨の日を楽しもう！
雨だからこそ楽しもう！
気持ちを切り替えて、濡れた薪に火を点ける競争をした。
しかし、そう簡単にはいかない。
色々工夫を凝らしたが思うようにはいかなかった。
濡れた薪に火を点ける競争は諦め（笑）、
ファイアースターターで火を点ける競争に切り替えた。

そんなこんなで雨の時間を楽しんでいると、
夕方になって突然雨がピタリと止んだ。
ほんの一時、太陽が姿を見せてくれた。

その雨間を狙ってテントを立てた。

しかし、しかしだ…。
雨が止んだどころか素晴らしい景色が広がった。
それはそれは宝物のように美しい景色だった。
美しい空間に包まれて宝物のような時間を過ごした。

撮った写真を回転させたら不思議な世界が広がった。
思考もひっくり返してみると、
案外おもしろい発想が生まれて来るかも知れない。