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カテゴリ:思い出
子どもの頃、新米のおむすびを持って、 母方の祖母が近所の山へ遊びに連れて行ってくれた。 私たち兄妹はまだ幼かった。 田圃の畦道のような所で弁当を広げて食べた。 美味しい新米のおむすびだった。 その時に祖母はこんな話をした。 「落とした新米の米粒を、 蛇が食べると倍の大きさに育ってしまう」 一粒食べると倍になる。 二粒食べるとその倍になる。 なんて恐ろしい。 これはえらいことだと思った。 落とした米粒を食べて、巨大化した蛇を想像した。 大蛇が畦道から這って来る姿を…。 なんて恐ろしい。 絶対に米粒を落とすな!と妹たちに厳重注意した。 よく考えてみると蛇が米を食べる訳がない。 新米一粒食べてそんなに育つ訳もない。 大きくなってからそれはわかったが、 新米を食べる度にこのことを思い出す。 昔は新米がとても貴重だったのだろう。 米一粒も粗末にするなと言う教えなのだろう。 新米は貴重だから大切に食べなければならない。 今は果たしてどうなのだろうか。 ご飯を平気で残していないか。 食べ物を平気で捨ててしまっていないか。 新米を食べる度に、祖母と蛇の話を思い出す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 4, 2021 08:00:05 PM
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