海への誘い（うみへのいざない）

小学生の頃にオジギソウを育てていた。
葉を閉じるのがおもしろくて、
開いては触って閉じ、開いては触って閉じ...。
おもしろがってそんな動作を繰り返していた。
あまりやり過ぎて枯らしてしまった。
そんな苦い思い出がある。

海にある真珠小屋へ行く途中に合歓の木があった。
大きな合歓の木だった。
ちょうど今くらいの時期に花を咲かせた。
羽毛のような合歓の木の花が好きである。
子どもの頃は、合歓の木のことを、
でっかいオジギソウだと思っていた。

合歓の木も葉を閉じるが触っただけでは閉じない。
夜になると眠るように閉じるのである。
ネムとオジギ…。