「チーム・バチスタの栄光」上下
作者:海堂尊海堂尊という作者がいて、いくつか作品がでている、ということに気がついて読めるものがないか注目していたところでみつけた文庫本。ほかの作品はまだ文庫本化されていないようで、新しい作者なのね、と思ったけれど、ちょうどその時期にこの作品が映画化されていたのが文庫本化の理由だったらしい。読み始めた頃に映画が封切られた。「チーム・バチスタ」というからには医療モノ。その医療技術をめぐる話や、大学病院、大病院にありがちなさまざまな権力体制がをめぐる話・・・?と思ったら、まったく違うものだった。最初はキレ者外科医のバチスタ手術が・・・からだったんだけど、読んでいくにつれ、事故か事件か原因はどこか?誰が?というような話になり、さらにそのキレ者外科医をめぐる話もいろいろ出てきて。が、最後は そこが落とし所か!という点でびっくり。原因をそこに終結させるとはー。だったらこちらの路線のいろんな要因はどう絡むの?というのが、ちょっともったいないところでもあり。しかし、深刻な話の中にもストーリーの軽さを感じるのは、主役2人の人柄なのかもしれない。憎めないお調子モノとのんびり屋のペア。他の本でも彼らが活躍するらしい。医療ベースなんだけど、もっと軽い調子で読めるのかも。