テーマ:本のある暮らし(3286)
カテゴリ:本
週末は二泊三日の大阪出張。
くたくたに疲れて自宅に帰ると、夫が 「池田晶子が死んだよ」 と言う。 心底驚いた。 あの若さで…というのもあるが、何より「ただでは死なない人」って感じがしていたもんだから。 5年ほど前に池田さんの著作にはまってから、彼女のほとんどの本を読んだが、お書きになっている内容の大半は理解不能ではあるものの(失礼)、大変おもしろかった。 私が一番好きなのは、「残酷人生論」と「死と生きる」の二冊。 「残酷人生論」、意味不明なのに泣けてきた。あれはなぜなのかいまだに謎である。 「死と生きる」は、殺人犯との往復書簡。 獄中で回心したと言う死刑囚に「まだまだ甘い」と叱り飛ばし、彼が「死刑を受け入れ潔く死んでいきます」と言えば「かっこよすぎる。みっともなく命乞いをなさい」と迫る。 往復書簡が雑誌に連載され有名になるにつれ、彼は世間の評判を気にしながら文章を書くようになる。そんな彼に対しては、 「誰に向けて書いているのか。神に向かって書け」 と叱咤激励(↑名言ですね)。 鬼気迫るやりとりを読んで、池田さんって超人的で女王様みたい!(コワいけどかっこいい~!)と惚れ惚れした。 だから、お亡くなりになるなんて、想定外でした。 (しかも、陸田死刑囚より先に亡くなるとは…) 超人でも女王様でもなく、やはりひとりの人間でいらっしゃったのですね。。。 喪主が旦那さん(つまりご結婚なさっていた)というのも大変驚きました。 …なんて言うと池田さんはきっと、「ふん、くだらない」とおっしゃるにちがいない。 そんな池田節がもうきけなくなることが、ほんとうに残念なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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