清掃生活　＊ seinarukurashi

ついにその日がやってきた。

息子念願の熱帯魚の登場である。

その名は、「テトラオドンファハカ」（何度聞いても覚えられない・・・）。

要するに、ふぐ、である。

ば～ちゃんも、「どんなにきれいな熱帯魚が来るのかと思ったら・・・これ？」と、拍子抜け。

見た目は、どこから見ても、

ふぐ。

 

それも、あんなにでっかい水槽に、ちょこんとちっさい、ふぐが一匹。

息子はルンルン。
ふだん無口でクールな息子が、やけに饒舌である。
傍目に見ても、浮き足立っている。

そんな彼を見て、母はちょっぴり満足である。

だって、ほんの1年前くらいは、出不精で趣味はゲームかアニメというキャラだったのだ。
そんな彼が、やっと熱中できる対象＝「水系の生き物」ができたのだ。

放課後は近所の川で漁（？）にいそしみ、川の源流をたどって何キロも雨の中、友達と旅をするほど。近所の熱帯魚ショップのおじさんとは、知らないうちに仲良しになり、すっかり常連さんだ。

あの人見知りだった息子が…である。

そんなわけで、巨大な水槽にちょこんと浮いているフグ君を見ながら、母は満足である。