テーマ:本のある暮らし(3286)
カテゴリ:本
「死を想う~われらも終には仏なり」(平凡社新書)。 このありがちなタイトルの本に呼ばれてしまった。 つい買ってしまったのにはわけがある。 著者: 石牟礼道子 /伊藤比呂美 なんだもの!!! 最初このお二人の名前を見たときには、あまりの濃い組み合わせに、「うそお!」と驚愕。 これはおもしろそうだと本文をぱらぱらとめくると、対談ゆえか文字数が少なくて、すかすか。 え~これで、756円!?と一瞬萎える私。 しかーし! 冒頭に載っているお二人の写真(対談風景)を一目見たら、次の瞬間レジに持って行ってました(笑)。 まるで魔術?ですね。 なんというかこう、写真から伝わるオーラってありますよね。 そこに写っていたのは、この世のものとは思えぬほどの、お二人の鬼気迫る存在感(ほめ言葉です)。 伊藤比呂美さんは以前、ご自分の裸身の写真を載せたエッセイを発表されたことがあって、それも、「すごかった」。 写真、というか、そのお姿、というか、からだを通してあふれでる存在というか。 おっと写真の話ばかりしてしまった(…でもそれくらいインパクトあったのです)。 石牟礼道子さんといえば、「苦海浄土」。 私にとっては忘れられない一冊だ。単なるノンフィクションではなく、泥臭い人間の情念や尊厳を描いた文学のように読んでいた。 大宅壮一ノンフィクション賞を拒否(辞退)したところなんかも、私としてはしびれてしまうポイント。 でもその後は、石牟礼さんの本はほとんど読んでいなかったのです。 伊藤比呂美さんのほうは、もうそりゃあいろいろお出しになるので読んでいました。 だってすごいんだもん。おもしろいんだもん。人生が。 そんなお二人の対談なのです。 読んでいる間中、私はほんとうに幸せでした。 女でよかった、って思ったのです。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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