カテゴリ:本
なぜわたしが、自分が育ってきた貧しい環境から抜け出せたのかを考えると、それは「神さま」がいたからじゃないかって思うことがある。
とはいっても、わたしは何かの宗教を信じてるわけじゃない。 でも、何かしら漠然とした「神さま」が、わたしの中にいる。 もしかしたら「働くこと」がわたしにとっての「宗教」なのかもしれない。 わたしは自分の中にある「それ」にすがって、ここまで歩いてきた。 (略) まわりの大人たちを見てごらん。 下町の町工場のオヤジさんも、威勢よく声をはりあげている八百屋のオバちゃんも、ちょっとやそっとのことじゃあ、お店は閉めない。 生きていくなら、お金を稼ぎましょう。 どんなときにも、毎日、毎日、「自分のお店」を開けましょう。 それはもう、わたしにとっては神さまを信じるのと同じ。 毎日、毎日、働くことがわたしの「祈り」なのよ。 ……(「この世でいちばん大事な「カネ」の話」理論社より) 美しい文章だなあ、と思う。 真実だよなあ、と思う。 ため息が出るほど美しいこの言葉を書いたのは、漫画家の西原理恵子さん。 彼女はリアリストだから、ここでいう「働く」とは「カネを稼ぐ」ということである。 しかしわたしはそれに、暮らしをいとなむ「しごと」も含めたい。 ご飯をつくり、掃除をし、子どもや老親の世話をすること。 それらも含めて、 『毎日、毎日、働くことがわたしの「祈り」なのだ』と。 「覚えておいて。 どんなときでも、働くこと、働き続けることが「希望」になる、っていうことを。 (略) 人が人であることをやめないために、人は働くんだよ。 働くことが、生きることなんだよ。 どうか、それを忘れないで」 ……………………(同書より) 子ども向けに書かれたこの本(実は、この本は息子所有のもの。正月に借りて読みました)。 新年早々、良い本に恵まれました(息子の本だけど)。 こんな時代だからこそ、おすすめします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.04 18:50:06
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