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カテゴリ:Daily life(雑感)
例の「おしゃれ工房」に出ている重松さんのエッセイ… 「花の色は 移りにけりないたづらに 我が身世にふるながめせし間に」 絶世の美女として名高い、小野小町の作品である。 現代語に訳せば (桜の花の色はすっかりかわってしまった。 なすこともなく、長雨が降り続いていた間に) これは表面上の歌の意味。で、そこから (美しかった私の容姿もすっかり色あせてしまった。 我が身をむなしく世に置いて時が過ぎ、ぼんやりと物思いに ふけっていう間に) という隠れた意味が浮かび上がる。「ふる」は「(雨が)降る」 であるし、時が経つという「経る」でもある。また、「ながめ」 は「長雨」と「眺め」に掛かっている。そんなふうに、いくつか の言葉が掛詞(かけことば)、ダブル・ミーニングになっている から歌の意味も二重になるわけだ。 ----略------ 実際、降りしきる雨をぼーと眺めている時、僕達は「永遠」や 「無限」というものを無意識のうちに感じとっているのではな いだろうか。 ----略------ 規則的で途切れることのない雨音が、潮騒や瀬音のように、耳に 優しく撫でてくれる。雨の一粒、雨の一筋を目で追いかけること はできない。でも、まなざしは確かに、ずっと、雨の降る動きを 受け容れている。細かい動きで目の前のちょろちょろするものが あると気が散ってしまうが雨の場合決して邪魔になることなく いつも見慣れた風景にやわらかいアクセントを与えてくれる。 そんなふうに雨をながめながら、ぼくはいろんなことをぼんやり と考える。 ----略------ ふとわれに返ると、5分、10分、15分……意外なほど長い時間が 経っていることに気づく。まさに「降る」は「経る」なのだ。 ----略------ 天気予報では、特に週末の晴天を差して「明日は絶好の行楽日和 になるでしょう」と言う。ならば、雨の日は「物思い日和」とで も呼んでみたらいいんじゃないか。 ダブル・ミーニング…よく省吾さんも使うよね~♪ 今日から暫く、関東は雨模様。 大好きな金木犀の香りも薄れてしまうけど 「物思い日和」楽しみますか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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