商社の存在価値
再度,「商社」の話.商社もメーカーと同様,顧客にとっての付加価値を生み出す存在である(あらねばならない)という話を昨日書いたが,その続き.商社の存在価値は「情報」だと言われるが,単なる「事実としての情報」であっては意味がない.「単なる事実」を集め,顧客にとって意味のある「価値情報」でなければならない.そして顧客にとって「意味のある」とは,顧客企業の事業発展につながること,すなわちその企業の競争力を増すものでないといけないということだ.だから商社としての当社が提供すべき情報とは,顧客の技術レベルを上げる技術情報(と技術研修),既存事業を成長させるための営業ツール,事業の多角化を可能にする新商品情報,隣接市場に関する情報,企業のステータスをあげるための考え方なんかを指す.実はこういう「情報」こそが価値そのものなのだが,商社はこういった情報に関して対価を要求しない.顧客企業が事業を営むための資材を提供し,商社の情報によって事業規模が拡大したり新規事業に成功すれば,自ずと仕入れ額も増えることを期待している.価値のある情報提供の収集・加工・提供に多額を投資し,事後的に発生する仕入れに期待しているだけだから,実は商社も投資回収リスクを負っている.この点が情報提供そのもので投資回収するコンサルティング会社とは,ビジネスモデルが異なっているのだ.当社もより精進して,「顧客企業の発展に全力を尽くす真の商社」になりたいと思います.