個人の力
ちょっと大げさに言うと,社会がIT技術などで効率化していくと,ますます「個人の力」が大事になっていく.一昔前は,なんとなくみんなで御輿を担いで,そこにはぶら下がる人も頑張る人もまあそれ程目立たずに,「みんな力を合わせて」一仕事することができた.御輿が目指す方向も,また勝負の勝ち負けも結構明らかで,小さい御輿は大きいものに見劣りするし,それなりに働く人もそれなりに評価されたものだ.これが今では全く状況が異なってきたと言える.基本的に情報はコストゼロで流通し,優れた人が100人分の付加価値を(コンピューターの力を借りて)生み出すことができる.アウトソーシング先が充実してきたから,「それなりに働く人」は社内には不要で,「それなりの仕事」はより安い場所を求めて,それこそ世界中に外注することができてしまう.会社の競争力も,単なる売上の大きさや人数の大きさではなくなってきている.競争力の源泉はその会社にしかできないことで,他の会社が真似できるようなことだと一瞬にして価格競争に巻き込まれることになる.付加価値を生み出せる人だけが,会社にとって大事な人材となってきているのだ.つまり,「個人の力」がこれまでになく重要だということだ.「個人の力」とは,「自分で考えれる力」,「人を説得する力」,「新しいものを生み出す力」,「競争に勝つ力」などのことだろう.そしてこういう「個人の力」プラス「人と交じり合う性格の良さ」プラス「会社の文化」が会社の本当の力になるんだと思う.当社のような中小企業にとって,「個人の力」が重要な時代って良いことだと思う.見方によれば厳しいかもしれないけど,すくなくとも大企業と戦う前から負けが確定していた昔と違って,今はもしかしたら勝てるかも知れないものなあ.こう思えるだけ,今の時代は幸せということだ.さてさて,当社の「個人の力」を信じて,飛躍のために全力を尽くそう.