国の魅力
ご存知の様に,アメリカは優秀な外国人を取り込んでいくことで,国としての競争力を増していっている.今をときめくグーグルの創業者もロシア系移民だし,インテルの創業者,ヤフーの創業者もみな移民一世もしくは二世である.大学の研究室はアジア系を初めとする外国人だらけだし,小学校や中学校レベルでも,ハングリーな親に育てられるアジア系の子供が成績上位者を占めているらしい.ビバリーヒルズや,世界に配信される音楽,ハリウッド映画も,(事実かどうかはともかく)「アメリカ=自由で豊かな国」というイメージを振りまいている.それでなくても世界には紛争地域が多いから,たまたまそういった地域に生まれてしまった優秀な若者たちは,着のみ着のままで,難民や亡命者という形でアメリカを目指すことになる(たとえばナチ支配下のユダヤ人).結果として,世界中の優秀で野心的な若者が,チャンスの国アメリカになだれ込む.優秀であったり,ハングリーである外国人が大量に移民してきて,今までいた「アメリカ人」(多くは先に来た移民であるのだが)の仕事がなくなるかというとそうでもない.国として競争力が増してくると,国際競争に勝っていくから,結局「パイ」が大きくなって,多くの人が恩恵をこうむることになる.これって会社にも当てはまることだ.会社のステータスを高め,労働条件を良くし,顧客に感謝される企業を作ることは,必ずしも労働者福祉のためだけではない.そういったことは企業自体の魅力を高めるから,より良い人材が集まりやすく,結果として企業の競争力が増してくる.新たに加入した優秀な人材は,自分の給料以上に稼ぐ能力があるから,結果として「パイ」が大きくなり,既存の社員も潤うことになる.「情けは人のためならず」ではないけれど,会社の魅力をあげ社員の待遇を良くしていくことは「社員のため」だけではない.結果的には,そう言った「情け」が自社の競争力につながるということだ.当社も,これからも内外から見て魅力をどんどんと上げていきたいと思っています.