梃子の原理と並行処理
仕事を効率的にこなすコツは,「梃子の原理」と「並行処理」だと思っている.「梃子の原理」とは,例えば名人芸をマニュアル化して,普通の人が出来るシステムを構築するようなことである.一人の人が一定時間に出来る量は限られているから,特定の人でなくてもできるシステムに落とし込んで,それを大勢でやるようにするようなことである.しかもこの場合,大勢の人と言うのは必ずしも自社の社員でなくて,必要なときだけ頼める外注先であればもっと「梃子の原理」は働いてくれる.昔の出版業は,一人が一ページずつ手で書いていた(写していた)のだろうが,印刷技術の発明で一度の大量のコピーが製作でき,また今ではIT技術の発達で,ほぼ無料で無限大の人々にコンテンツを公開することまで可能になってしまった.これも科学が可能にした「梃子の原理」である.そして「並列処理」とは,同時にプロジェクトを稼働させ,かつ各プロセスの遊休期間に他のことを同時に処理しようとすることである.タクシーで移動しながら打ち合わせをするなんても簡単な「並列処理」だし,食器洗濯機を動かしながら自動給湯器にで風呂を溜めながら,自分はウォーキングマシンなんかで運動しながら本を読むってのも,身近な「並行処理」である.対極にあるのが,プリンターの前でじっと印刷を待っている要領の悪い社員みたいなもので,コンピューターを見張ってその間ぼーっとしているなんて,並行処理どころか,自分だけさえもうまく稼働していない. ではこうやって,「梃子の原理」や「並行処理」を使って生み出された効率性はどのように活用したらいいのか?そりゃ答えは決まっていて,こうやって「余裕」を作り出して次のアイデアを検討していくのだ.効率性が高い人は実は暇そうに見える.そして頭の中はフル回転しているってのが,理想の働き方だと思うのだけど,どうだろうか?