顧客が感じる価値
「逆算方式」の続きなんだけど,要するに,「顧客が感じてくれる価値」から始めて,自社の組織や運営を決めていく経営方法だとも言える.経費をかけて良いのは,それが直接間接に「顧客に感じてもらえる場合だけ」だ.オフィスが快適だと,もしかして気分の良い職場で気分が明るくなり,顧客にも親切に出来るかもしれない.だからオフィスにお金をかけて良いのは,見栄でなくて「対顧客で意味があるときだけ」である.気分よく接客でき,事務も効率的にするには,むしろオフィスでなく経費も安い自宅勤務の方が良い場合だってある.わざわざ経費を多額使って顧客訪問するのは,訪問の方が顧客満足度が高まる時だけである.こちらの都合で義理人情で買ってもらうために訪問するのは,相手も迷惑だし,顧客満足度が上がらないのに経費をかける意味がない.経費をかけて訪問する以上,それ以上の価値を顧客に感じてもらうべきである.逆に経費も,なるべく顧客が感じる価値を損なわないように限りなく小さくしていくべきだと思う.IT技術を駆使し,電話もIP電話に変え,メールを使ってコミュニケーションをとり,無駄なお金のかかる会議はやめて,オフィスだってシンプルで効率的な場所にしていくべきだと思う.顧客が感じていないところでコストをかけるのは,本当に馬鹿らしいし,当社を信じてくれる顧客に対して背信的であるとさえ思う.要するに,顧客が価値を感じるところには必要な経費をかけ,そうでないところは限りなく削っていこうとするのが,「顧客が感じる価値」経営だ.当社は直接的に売り上げには結びつかないが,全国でセミナー活動をしている.無料で業界の基礎知識,最新知識を知ってもらうことで,参加者のレベルを上げていきたい.数名体制で取り組んで,お金だって結構かかるのだが,確実に価値を感じてもらっているはずだから,これはこれからも拡充して行いたいと考えている. 経費をかけるところにはかける,削るところは限りなくゼロにする,これが出来れば将来も明るいんじゃないかなと思っています.