「会社は毎日つぶれている」
なかなか強烈な題だが,双日(旧日商岩井)の初代社長が書いた「会社は毎日つぶれている」は面白かった.「会社は毎日つぶれている」というのは,「日本のどこかで毎日会社倒産はあるものだ.自社も気をつけよう」 位の意味だと思っていたが,違った.自分の会社がどんなに調子の良い会社だとしても,突発的な事態,積もり積もった事態,気がつかなかった事態,天変地異などによって,「いつつぶれてもおかしくない,つぶれてもおかしくない状態に会社はいつでもあるのだ」という意味だった.突然競合商品が出てきたり,圧倒的大手が自社の事業分野に参入してきたり,規制が変わって自社の提供するサービスが意味がなくなってしまったり,特許に守られていると思っていたら全然そんなことなかったり,当局の法解釈が変わったり,大口取引先から突然切られたり,環境保護団体に突然不買運動を起こされたり,社員が不祥事を起こしたり.....,まあ思いつくだけでも多くのリスクが身の回りにはある.どれが現実のものになっても,大変なインパクトがあると思われるから,まさしく「会社は毎日つぶれている」と言ってもおかしくない状況にあるのだ. さて,自社の提供する製品やサービスは万全だろうか?本当に社会に必要とされていて,かつ自社が提供することに必然性はあるのだろうか?たまたま過去からの引きずりでそれを提供しているだけで,本当は自社じゃなくても良いかも知れないのか.こういう経済環境だからこそ,もう一度「存在意義」,「必然性」,「競争力」なんかを見直した方が良い.まさしく「会社は毎日つぶれている」というリスク感覚を持って経営に取り組まないと.