高校生の指導指針
今日高校水球部の幹事会があって僕(=副幹事長)も行ってきたのだけど,クラブの監督をやっている後輩から,「指導指針」なるものを見せてもらった.「質の高い生活を心掛ける」 文武両道の精神を忘れずにそれぞれの時間に集中して活動する.質の高さを追求する精神を養う(=選手たちが質の高い水球とは何かを知り,追求することにより,これからの様々な場面での判断力や,生涯にわたる道しるべを発見する).「しなやかに強く,野太い志の育成.揺るがない軸を求めて」 どんな苦しい局面でも自分を見失うとなくコントロールする.自主自立を大切にしつつ,周囲の人からの助言を素直に受け入れる.「感謝の気持ちを忘れない」 自分一人で勝ち誇るというのは愚かなことで,多くの人からの協力や声援があって初めて喜びが生まれる.「水泳部の部員としての自覚と誇りを」 個性を大切にしながら調和し,その中で責任や役割を果たすこと.で,その後輩から,「社会人から見て,こんな指針では通用しない,不十分だと思われることは何ですか?」と真顔で尋ねられた.はっきり言って,こんなことは多くの社会人,ましてや社会で長く働いている人でも(こそ?)出来ていないと思う.就職した初めのころはこういう心を持っていたかも知れないが,「業界の慣習」,「会社の事情」,「上司からのプレッシャー」,「生活の安定を求める気持ち」なんかが相まって,だんだんと「悪」に染まっていってしまうことが多い.社会人を長くやっていてスレてしまうと,自社や自分に都合のよいことしか言わなくなるものだし,本当にそう思ってしまうところが怖い.自分の責任にさえならなければ組織として目標が達成されそうになくても知らん顔だし,本当に顧客のため,社会にために仕事をしている人もどれだけいるのだろうと思う.そう言えば最近では障害者郵便制度を悪用していた企業もあれば,それに加担していた厚生省係長もいた.まさに自分や自分の属する組織に都合のよいことであれば,それが「悪」であってもバレなければいいと考えていたに違いない.僕の後輩はうぶなので,「厳しい社会に出たら,もっともっと人間性が磨かれるに違いない」と思っていたのだろうけど,実際は高校生でも分かる善悪の区別がつかなくなっている人も多いのだ.だから彼の質問に対する僕の答えはこうだった.「そんな考え方が本当にできる社会人がいたら,ぜひ当社で採用したいと思うよ」(勿論,現在当社で働いている社員はそんな人たちばかりです.念のため).当社も彼や高校生をがっかりさせないように,しっかりとした考え方を持って経営していきたいと思います.