マネジメントの重要性
どんな組織でもマネジメントは必要だ。また水球の事例で恐縮だが、中高生の練習を見ていても、同じ有望な選手が集まっていても、指導者の手腕でチームとしての強弱は全く違ったものになってしまう。基礎練習を厳しくやるのも指導者の指導力が問われる。100メートルを何本も泳ぐとか(高校生の合宿では100本とかやっていた!)、立ち泳ぎや単調なシュート練習も肉体的精神的に辛い作業だ。それを一体感も持ってやり切らせるのも指導者にそれだけの力がないといけない。水球はボールを使ったチームスポーツだから、泳げる投げれるだけでは試合に勝てない。各選手の適性を見抜き、個別に役割を与え、チームとしての「正しい戦略」を立てて実行することが必要になる。泳ぎ勝つチーム作りをするのか、パワープレーを得意とするチームにするのか、個別には弱いメンバーであれば弱者の戦略をどう立てるのか、これはチームリーダー、すなわち監督のマネジメント能力に掛かっている。練習のためには強いチームと試合を沢山組むことも必要だし、OBやOGを呼んで目の届かないところをカバーして貰ったり一緒にプレーさせたりという、プールの外でのマネジメント能力も必要になる。加えて相手が中高生の場合は保護者にも理解を得ないといけないから、定期的に保護者会を開いて目指しているものや年間計画、それで子どもたちがどのように人間的にも成長するのかも納得してもらうことも必要だ。会社も同じだが、組織というのは目の前の課題や顧客の要望など、「そこにある問題」は個人の能力や常識的判断力で何とかなる。しかしその際でもどういう判断基準に依って判断するのか、そもそも「そこにいることが正しいのか」(事業領域の問題)、どういうメンバーで戦うべきかという人選の問題、このままやってて数年後、10年後にその組織はどうなっているのか(正しく発展しているのか)と言った「そもそも論」を考える人は案外いないものだ。つまりそれが経営者の仕事ということになる。「そもそも論」までいかなくても、そのプレゼンを誰がやるべきか、その案件は誰が担当すべきか、どれくらい手間やお金をかけるべきか、その案件が果たして重要か、どこが勝負所か等の戦局を分析して適性に資源配分するのも、マネジメントの仕事だと思う。同じメンバーが集まっても、マネジメントの違いで結果も大きく違って来る。折角良いメンバーが集まって経営者のせいで結果を残せないのは大変申し訳ない事態で、だから組織は常に優れたリーダーが必要なんだと思う。母校の水球監督(後輩)を見ながらつくづく彼の責任の重さを感じたし、振り返って自分も同じこと(いやもっと重大)だなと思っていました。