生産性が高いということ
生産性が高いというのは、圧倒的な速さで多くの業務をこなせる状態のことではない。ましてや、大量の業務を残業をしながら行っている会社のことでもない。生産性が高いというのは、本質的に大事なこと、多くの課題の中から最も重要なものを見抜き、そこに注力して結果を出すことだと思う。ここを間違えると、「解くべき問題」を取り違えてしまって、やたらに多くの「些細な問題」に取り組んでしまって時間オーバーになってしまったり、解いたところで何も事態は変わっていない、好転していないことすらあり得る。問題を解くスピードが遅いのではなくて、解くべき問題を間違っている状態が「生産性が低い」状態となって現れる。企業活動も、幾らやっても報われない衰退市場、激戦市場で頑張ったところで、結局は「最も安いところが勝つ」市場であれば、誰も勝者がおらず単に消耗するだけ、結果として「生産性が低い」という烙印が圧されてしまう。社員は頑張っているのに、「間違った市場」にいる限りは、勝つこと、幸せになることは大変難しいと思う。勝てる市場を選ぶ、その中でも本質を考え抜き、創意工夫を凝らして他社と差別化することで、努力の量が結果に結びつく。これが「生産性が高い」状態だ。当社ではそれを「レバレッジが効かせる」と呼んでいる。当社は、特に個人として「仕事ができる人」はそんなに多くはいない(もしくは、いない?)。しかし防虫業界というニッチマーケットの中でも、業務向け開発型商社、コンサルティング商社として独自のポジションを取り、セミナー活動や製品開発、ソフト開発、サービスネットワーク作りなどの創意工夫で高い生産性、高いレバレッジ効果を保っていると思う。一番大事なことは、「跳ぶ前に考えろ」(もしくは「跳びながら考える)ということ。何が求められているのか、何が重要なのか、当社に勝算はあるのか、本当にやるべき仕事なのか、様々なことを考えて、そしてその一点に注力すること、これが生産性を高めるコツだと思います。