対比
病気や反応は、その裏に大きな喜びが隠されていることの徴になるわけですが、そのことから、非常に奇妙な現象が起こります。つまり、喜びが小さい時には、病気が好転したり消えたりすると言うことです。たとえば、カウンセラーが親身になって愛情をもって接すると病気がよくなる場合があり、逆に、家族の方が愛情をかけると病気が悪化するなどという現象です。小さな喜びの時にも病気のままだと、大きな喜びの時に、病気になってその喜びを否定したことが際立たなくなるわけです。もちろん、対比によって病気がよくなった場合、それは、本当に治ったわけではありません。単に病気が表面に現れていないだけで、人格的にも能力的にも進歩は見られません。カウンセリングで好転した場合などでは、病気の本当の原因からは的の外れた関わりをすると、こうした対比が起こりやすいということから、かえってご本人にとっては好ましくないことかもしれません。