志賀直哉の暗夜行路
志賀直哉という作家に『暗夜行路』という小説があります。この小説はハートセラピーの理論にとても合致しています。もちろん『暗夜行路』は100年ほど前の小説なので、志賀直哉はハートセラピーの理論を知るわけがないですし、ハートセラピーも『暗夜行路』と全く関係なく確立されました。不思議なのは、『暗夜行路』は近代文学の最高峰の一つとも言われるのに、これまでの精神医学や心の理論が何の参考にもしていないことです。19~20世紀の小説は、エンターテイメントというだけでなく、心・精神の探求という側面も大きかったわけですから、ドストエフスキー『白痴』などと同じく、この『暗夜行路』なども、精神医学や心の理論がまったく無視しているのは、おかしなことです。