昨晩のクリスマスディナーでのこと
毎年クリスマスには私が焼いたスポンジケーキに男ども3人でデコレーションをするのが我が家の慣わし
なのだが、今年は先日の仕事だかなんだか訳のわからぬバリ島行きのあおりを受けて、いつも以上に多忙な相方がどうがんばっても夜の7時ぐらいにならないと帰宅できないと電話があった
仕方が無いのでスイミングから帰ってきて母子でケーキを作り、
ディナーも準備し、子供たちは風呂にも入りスタンバっていた
いつもならそんな大事な約束も平気ですっぽかす相方なのだが
先日のバリ島の件で私の嫌味タラタラ攻撃をかわす狙いがあるのか
なんと6時半に大量のアルコール、おつまみ、それとバラの花束を抱えて相方が帰ってきた
子供たちも大喜び
母もがんばって準備をした甲斐があったっちゅーもんだわ
というわけで夫婦はまずはシャンパンで乾杯(っていってももちろん大瓶1本は空ける)し、その後赤ワインに突入していた
数日ぶりに帰宅した相方もアルコールが入ったからなのか
久しぶりの家族団らんに酔いしれていたのか
妙にハイテンションだった
ヤツのテンションを上げたもうひとつの要因にテレビがあった
画面には女版サスケである「くのいち」がやっていた
体力自慢の女性が工夫のこらされた仕掛けを時間内にクリアして頂点を目指すという番組だ
この手の番組が大好きな相方
子供の話も耳に入らない状態で、画面の女性たちががんばれば頑張るほど、彼の顔も赤くなり、
グラスを握る手にも力が入った
よせばいいのに兄怪獣が「お父さんはあのステージクリアできるかな?」と言い出した
画面には水中から何本かの棒がジグザグに立てられたところが映っていた
その棒の上をバランスよく歩いて対岸まで渡るという競技だ
私は「ムリムリ、お父さんだったらこんな風になっちゃうよ」
と立ち上がり、ソファーの端っこに立つと、床にブザマに落ちる真似をして笑いを取った
その姿に相方も大笑いしていたのだが、
何を思ったのか突然ヤツも立ち上がり、
「お父さんはバランス感覚がいいんだぞ」などと言ってリビングの中央で逆立ちをし始めた
最初のチャレンジでそこそこの倒立をみせたので
「わ~~~、お父さんすっごーーーー!」などと持ち上げてみたのだが、相方自身はその出来栄えに納得が行かなかったらしく
再度逆立ちにチャレンジを開始
それも納得がいかず、もう一度チャレンジ
するとコンマ何秒か静止する倒立を披露した
そこでやめれば「格好いい父親」で済んだものを
何を勘違いしたのか、ヤツは倒立のまま手で前進しようと試みた
既にシャンパンとワインを数杯
ここ数日ほとんど寝ていない
こんな悪条件で中年男が何をやっているんだろうか
あえなくバランスを崩し、体勢を立て直そうとしたところで
崩れ落ちた
左手からは流血していた
リビングにはサンタから兄怪獣に贈られたカブトボーグの部品がひっくり返って置かれていて、
その上に手をついてしまったようだ
ドクドクと溢れてくる血
ヤツはサウスポー
利き手をやられたのだ
流血もさることながら、手首を多少痛めたようだ
まったく己のトシもわきまえずに、一体何をやってるんだか
テレビ画面では脂肪のほとんど無い引き締まった肉体の美女が引き続き活躍していた
かたや流血酔っ払いオヤジと化した相方
こんな父を見て怪獣兄弟は何を感じたのだろうか