・・・昨日からのつづき
第2回目の集合日前にまた1通のメールが回覧されてきた
「腰元ダンサーズにぴったりの衣装(かつら付き)が4000円以上のものがなんと3000円ちょっとという格安で見つかりました
これで良いという方は至急水戸黄門ママに連絡してください」というものだった
またまたみんなで驚愕したのは言うまでもない
どうやら衣装作りを頼まれたママがやっぱり仕事で忙しいということで市販品で済ますこととなったらしい
それ自体は大賛成なのだが・・・
かつら付きってどういうこと?
3000円ちょっとが格安?
見てもいないのにすぐに返事をしなくっちゃいけないの?
もし嫌だと言ったらどうなるの?
またまた私のところに年少からの友だちママからメールが殺到した
とりあえず現物を見るまでは決められないということだけ返事をし、第二回目の集まりとなった
その集まりに私は仕事でほんの15分しか参加できなかった
マンションに着くと、集合玄関から見える集会室からは水戸黄門ママのリズムを取る声と熱気が漏れてきていた
中に入るとヨガパンツにヘソだしTシャツで踊る水戸黄門が
みんなを仕切っていた
ぱっと見ただけで乗りの良いママとそうでないママとで2分されていた
体中からゆげが上っているママたちに私はすぐに入り込むことが出来なかった
そんな私から負のオーラを感じたのだろう、カクさんママ(マツケン役)が私に話し掛けてきた
「みんなに相談する前にいろいろと決めて悪かったけど、水戸黄門ママもいろいろとがんばってくれてるからさ」とかなんとかそいうことだった
自分のノリの悪さが顔に出てしまったのだ、と瞬間反省した私なのであった
すぐに15分が経過し、私と友達ママ2人は幼稚園に下の子のお迎えに行かなくてはならなかった
マンションの集会室を出るとまた友達ママたちからは不満が噴出していた
水戸黄門ママはみんなが集まるこの時間のほぼすべてをダンスの練習に費やしたそうだ
肝心の話し合いは殆ど無かったらしい
すべてが彼女の頭の中で形が出来上がっていて、
その都度彼女からの指示が飛んだ
友達ママたちはそんな彼女の態度が場当たり的に見えたり、
あるいは自分たちは謝恩会の出し物有志の一員というのではなく
彼女のダンススクールの生徒と思われているんじゃないか、とまで言い出した(実際に彼女はエアロビのインストラクターをやっていたり、ヨガを自宅で教えていたりする)
すすんでやっているのではなく、やらされているという気持ちでいっぱいになってしまったのだ
水戸黄門ママの頭の中ではマツケンと腰元ダンサーズそのものを再現するという壮大な構想が練られていたようだ
衣装、髪型、小道具、それら全てを本物と同じように仕上げる
それが彼女の理想形のようだった
そのためには時間もさき、費用もかけ、労力も惜しんではいけない
が、それについていけないママたちもいるのだ
それが彼女には理解できない
彼女は日頃から「私はこのぐらいできる」、「私だったら全然平気」というスタンス
が、今回は10人以上のママをまとめなくてはならない
企画から参加してる人と、有志として参加したつもりがただの操り人形だったと思い始めている人
最初からあった温度差は日に日に大きくなっていく
サッカーの練習が終わる頃、最後までダンスの練習をしていたほかのママたちが幼稚園に集まってきた
年少がいる私たちよりも1時間長く踊ってきた彼女たち
またびっくりする話をしてくれた
なんとカクさんママがマツケンのダンスを始めたところ、
うまくリズムに乗れなかったらしく、
いきなり水戸黄門が「うーん、マツケン代えたほうがいい?」などと言い出したというのだ
ダンス練習初日だというのに
ほんの数十分踊っただけだというのに
自分から勝手にその役を命じたというのに
カクさんママはそんなあなたのことをかばうようなことを私に言っていたというのに
結局マツケン役はそのままカクさんママが続行することになったらしいのだが、これで水戸黄門ママの評価は確定的となってしまった
結局市販品の衣装は値段の割には大したことが無い、ということで
衣装作りの得意な私の友達ママが試作品を作るということで話が落ち着いた
試作品は二つ
一つはサテン地を使った簡単着物で費用は約1,800円
もう一つはカラーのビニール袋を両面テープで貼って作る超簡単着物で費用は80円
どちらにするかの話し合いが地域のコミュニティホールの一室を借りて急遽行われることとなった
私はまたまた仕事で参加できなかった
この集まりを伝えるメールには「急な集まりなので参加できる人たちの意見で最終決定としましょう」とあった
参加者は総勢8名(ちなみに水戸黄門ママは不参加)
全員一致でビニール袋製超簡単着物で決定した
その場で材料調達の分担が決定し、みんなでいっしょにちゃちゃっと作ってしまおうと次回の集合時間と場所まで決定した
サッカーのお迎えに行くと話し合いを終えたママたちがにっこり笑顔で話し掛けてきた
「決まったよ、ビニールの方、80円だって!」
みんな満足げに言っていた
ここでようやく一条の光が差し込んだ
そう思っていた
なのだが・・・
あ~らやだまた長くなってしまった
でもこれからが佳境
明日に続く・・・・