GUCCI
寒い日が続くにつれて服装がどんどん厚着になって達磨っぽい見た目になっている今日この頃、皆様いかがお過ごしでせうか?遠い昔は手に職がつけられる工学関連は就職先に困らないからと人気があった。けれど現実、商売として工学/理学分野に携わろうとすると物を作り、提供しなきゃならないし、新しく物が提供されたその瞬間には技術者や研究者はそれよりも1世代も2世代も先の研究を行ってなきゃないけない。前置きが長いけれど、お金を稼ぐ為に物を作らなければいけないわけで、法律の条文にあいまいな部分を多々持たせ、屁理屈こねくり回して安い官舎に住んだり、定年後もどっかの企業の役員に納まってお金貰う人達とはつぎ込んだ労力に対して払われるお金がまったくもって違う。大抵技術の技の字も知らない人が上になって信念のない政策を立ち上げ、将来を見越さず目先の目標を達成する為だけに結果を求める。結果が出れば後はそ知らぬ顔でそれがその後どうなっても知らん顔。成果もどきの結果を首から提げて昇進して大層な額を懐に入れる。なので最近は学生の意識も少し違う。簡単にお金を稼げそうな、金融、銀行、行政に関する興味の方が大きい。将来先の見えている技術者や科学者になるよりもスマートにお金を稼ぎ、六本木や霞ヶ関でふんぞり返れる方面によく走る。興味本位でサッカーを始めたちいちゃい子が基本に見向きもせず、格好のいいオーバーヘッドやらシュートの仕方やゴールした後のダンスだけに眼が行くみたいに。その余波なのか工学関連でも後輩の学生に教える時、基礎知識や学んだ知識を応用する力とかの基礎体力の差がすさまじく違う。仮にも電気と名の付く学部、専攻に所属している学生にも関わらず、DC5V、AC100Vの意味やその違い、抵抗やトランジスタの実物を見たことがなかったり、常微分方程式やベクトル演算のやり方を忘れたり知らなかったり様々だ。DC,ACは電気系にとって基本以前の問題だし、2番目は物作りにまったく興味もないことの現われだろうし3番目は大学の講義で一体何を学んだのかと頭を抱えた。それらを知らないというのはまだいい。寝る間を惜しんで教科書読ませて問題解かせて回路作らせれば済むことだ。一番の問題はその後、それらを教えた後に頭をひねって問題に対処することができず思考が停止状態に陥る。そんな状態で卒業論文や修士論文が書けるのだろうかと愚痴をこぼしていた12月のとある一日なのだ。......3月の卒業まで後3ヶ月もないだろうに彼らは一体どうすんだろう。