「Ｃａｓｔ ｏｆｆ　～小さな君のその手を抱きしめるために～」

彼女からの電話

「薔薇の花束ありがとう」

『誕生日おめでとう』

「彼から言われちゃった」

『何て？』

「困るって」

『困る？』

「彼がバースデープレゼントを持って来てくれた時にお花が届いたの」

『あらら・・』

「だってあんなに大きな花束なんだもの」

『タイミング悪かったね』

「千蔵さんに伝えて欲しいと」

『うん』

「もっと小さい花束にしてくれだって（笑）」

『あははは』

「俺のプレゼントが寂しく見えるから」

『来年からはそうするよ』

「それも寂しい」

彼女は数年後この彼と結婚しました

千蔵が花束を贈った最初の女性です

以来、女性に花をプレゼントする時は

１人の女性を除いて全て薔薇の花束です

千蔵が「LA VIE EN ROSE」と呼ばれる所以かな

なにげにこの彼女は

「私がお嫁に行けなかったら千蔵さんのお嫁さんにしてね」

おい、期待を持たせてとっとと結婚するなよ（笑）

しかも相手に千蔵の友人を選ぶなよ（爆）

だもの嫌みで大きくて真っ赤な薔薇の花束を送りたくなるじゃない（笑）

こんな薔薇の花束でももらって嬉しい？