「Ｃａｓｔ ｏｆｆ　～小さな君のその手を抱きしめるために～」

とある空港の免税店・・・

フレグランス専門店のテナントを見つけテイスティング・・・

いくつかの香りを楽しみつつも嗅覚が混乱する感覚を覚える。

それでも微かに記憶の糸を手繰れる香りに辿り着く・・・

この香りは・・・

隣で同じようにティスティングしている彼女の顔を見る。

男性モノのフレグランスを香らせていた彼女と

隣でテイスティングしている彼女・・・

２人の女性を天秤にかけた。

千蔵の選択は合っていたのだろうか・・・

それとも彼女達の選択が合っていたのだろうか・・・

答えは香りの彼方に・・・

隣にいない彼女のなつかし香りを買い求めた。

それが千蔵の出した答えなのだから・・・