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「Cast off ~小さな君のその手を抱きしめるために~」

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2007.10.05
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カテゴリ:SEX

誰しも大切な記念日ってあるのかな?

以前付き合っていた彼女との記念日

初めて肌を合わせてから2年目の今日・・・

仕事を定時で切り上げ

彼女の待つ部屋に車を走らせる

 


目に留まったフラワーショップで深紅の薔薇を握りしめ

少し背伸びをした

冷えた大人のスパークリングワインを小脇に抱えた

 


「いらっしゃませ」

洒落たケーキショップで

ロードライトガーネットを想わせる苺が

ふんだんに散りばめたデコレーションに心を惹かれる

彼女の大好きな苺・・・

とびっきりの笑顔を見せてくれるのだろうな

 


「何かお入れしましょうか?」

アルバイトとかな?

まだあどけない笑顔が素敵な女性に訪ねられた

 


今日は彼女との2周年・・・

『プレートに書いていただけますか?』

「何とお入れしますか?」

『2周年ありがとう!』

そう書いてくださいとお願いした

 


「少しお待ちくださいませ」

『はい。ロウソクもいただけますか』

「2本でよろしいですか?」

『はい。赤と青のロウソクをお願いします』

彼女の好きな苺色の赤と・・・

千蔵のラッキーカラーの青を選んだ

 

真っ白いプレートにチョコムースで描かれた

『2周年ありがとう!』の文字

あどけない笑顔の店員さんが

これでよろしいですか?

プレートを手にとり

確認してとばかりに

千蔵の目の前に差し出された

真っ白なプレートに

チョコレートで染められた文字には

『2週年ありがとう!』

ハッキリとそう描かれていた

 


『あのう・・・申し上げ難いのですが』

そう断ってから

笑顔で千蔵を見つめる店員さんに

『2週年ではなくて2周年なのですが・・・』

事の次第が把握出来ていない店員さん

頭の上に

???マークが・・・

隣にいた綺麗な店員さんにプレートを見せる

苦虫を噛み潰したようなお顔は

今でもハッキリと覚えています

 


「すみません。直ぐに新しいモノと」

その言葉を遮るように・・・

『そのままでいいですよ。だってネタになりますから(笑)』

言ってしまいましたよ

根っからのネタ体質なんだと改めて思った次第です

でもね・・・

どうしても書き直したいと強い申し出に負けました

あれから何年経ったかな?

彼女はたくさんの苺が散りばめられたデコレーションを

今は違う誰かと食べているのだろうか・・・






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Last updated  2007.10.05 22:47:05
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