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「Cast off ~小さな君のその手を抱きしめるために~」

「Cast off ~小さな君のその手を抱きしめるために~」

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2007.10.25
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カテゴリ:Cast Off

『もしね・・・出会う事があったら手を繋いで歩こうね』

どちらからともなくそんな事を言い出していた

話す内容は大人の会話なのに

考えようによっては

今時の中高生よりも清い関係だった

お互いに石橋を叩いて壊してしまう慎重さを持ってのだろう

大人のずるさを何処かで理解しながらも

心はノスタルジックを感じるほど清らかだった

 


知り合って何ヶ月も経過し

メッセンジャーでは

毎日のように話しているのに

声を一度も聞いた事がなかった

ある意味不思議な関係の2人

そんな2人がお互いの声を耳にする事になるが・・・

 


仕事が終わる時間に電話するよ

初めて彼女の声を聞ける事になり

朝から浮かれて職場に向かった

緊張からなのか?

それとも浮かれていたからなのか?

時計の針が進む速度がいつもより遅く感じられた

後数時間で彼女の声が聞ける

彼女の声のトーンは?

どんな話が飛び出すのかな?

千蔵は上手に話せるのだろうか?

 


そんな時にメールの着信が

メールには

「今日は都合が悪くなりました

お話しできません

ごめんなさい」

携帯を握りしめていた手の力が頼りなく抜ける

期待が大きかっただけに

ガックリと項垂れた・・・

 


後日・・・

彼女の声を聞く事が出来た

しかし

携帯電話から聞こえて来る彼女の声は

何故かテンションが低く感じられた

メッセンジャーでは

言葉のキャッチボールなのに

実際に話すと

会話が弾んでいる雰囲気が伝わってこない・・・

こんなハズではないよ

空回りする千蔵の言葉は宙を舞う

30分ほど話して携帯を力なく切った

彼女ともし会ったとして楽しく話せないかも・・・

この時は彼女と会う事は考えられなくなっていた

 


ただ・・・

メッセンジャーではいつもの彼女で

会話は途切れる事なく

止めどもなく言葉が溢れていた

きっと・・・

初めて話す緊張感から少し会話がずれただけだろうと・・・

そう考えるようにした






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Last updated  2007.10.25 06:19:54
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