「また会える?」
少し悲しそうな瞳で千蔵を見つめる彼女
いつでも会える距離じゃないのは分かっていた
その距離を埋める努力はしていたつもり・・・
千蔵の独りよがり・・・
『かならずまた会いに来る』
夜通し求め合った彼女に背を向け
アクセルを踏んだ
数時間走り
疲れた体をベッドに投げ出す
深い眠りに誘われる寸前に部屋のドアが開いた
「来ちゃった」
目を開けると彼女がそこに立っていた
『仕事帰りか?』
「うん」
ベッドに潜り込む彼女・・・
ブラインドから差し込む日差しが少し眩しかった
彼女を送り出し
今度こそは眠りにつこうと・・・
携帯が着信を知らせた
「千蔵、今から会えない?」
『昨日から寝てなくて疲れている。ごめん』
「こんないい女の誘いを断るなんておかしいよ」
『本当にごめん』
「今から行くね」
おいおい・・・
この彼女は強引だったよな・・・
『分かったから・・・千蔵が迎えに行くよ』
疲れた体を引きずり起こした
まだ薄暗い
ホテルのベッドで目覚める
我ながら・・・
バカだよな・・・