私の隣は今回は今年変わったばかりの私の娘くらい歳の離れたうちの団のピアニスト。
私がいろんな話をするので楽しんで聞いてくれて、大人しい彼女だけど、だんだん流暢に私の話に乗ってきて気さくないい感じだった。
私くらいになると人生の歴史がいろいろあるので、ネタがいろいろ。
彼女はまだ独身の一人っ子娘なのでほんわかお嬢様。
出会いが欲しいがなかなかないというわけで、でもいつも穏やかでニコニコ、ほっそりとしなやかで頑張り屋、お酒も強い。
でも、あんまり我団の楽譜量が多くてびっくりした、練習時間が半端じゃないと言い、夜中まで頑張って練習することもあるとか。
お蔭で我団に入ってから体重が4キロも減ったと言うのでかわいそうと思ってしまった。
そんなこんなで二時間後には八戸市公会堂に到着。
着いたらすぐに注文済みの昼弁当が各自に配られ、いつ食べてもいいが、自分で持ってることとされた。
そこでまずは控室に行き、皆悩む。
「今何時?まだ10時半じゃん、早いよね、今から昼ごはん食べたら夜持たないよ~」
「でも、今食べないとずっと弁当持って歩かなきゃいけないよ~」
「私は朝早く食べたから食べれる」、「私はお腹いっぱいでとても無理」と一旦は風呂敷に包む人も。
「じゃ、半分だけ食べて残りは後で食べるか?」
「でも醤油かけて残したら、こぼれたらもうやばいよ~」・・・
てなわけで、さんざん揉めた結果、
全員が「腹に入れてしまえばじゃまじゃないから食べよう!」となった。
でも、弁当の空は各自お持ち帰りと聞いて又しても皆「え~~~~~~!!」
しばらくしたら「置いてってもいいそうです~」という答えが。
❝早くそう言えよ!❞と思ってしまった。。
その先は合同合唱を一曲全団体でやってから、客席で他の団体の演奏を聴いて、途中で抜けて衣装に着替え、リハーサル室で練習。
まだ暗譜が自信ない皆は歌詞をそれぞれ確認し合い、皆で神経衰弱になり「ああ~言うな、かえってわからなくなるじゃん~」などと~
でも音の響きが良いリハーサル室では間違わずにきれいに皆で歌えて指揮者もニコニコ。
そして、舞台の袖へ行き他の団体が歌うのを聴きながら待機。
そして、いざ本番出陣!
舞台の壇上で演奏始まった。
市の合唱祭では歌わなかった一曲目「となりのトトロ」が練習不足。
でも、指揮者を信じ皆と心ひとつになんとか1番の歌詞クリア、繰り返しの2番の歌詞までピアノの間奏があるので心で音符を数えながら待っていた。
ところがだ!
まだ2番の歌詞まではピアノの間奏があるはずなのに、
いきなり早く指揮者が腕を上げて合図した。
一瞬❝あれっ!❞と思った。
ピアニストが私達の方を見て戸惑った表情をしたけれど、
間奏部分をうまくはしょって2番の歌詞の出だしにこぎつけたので、
私達は指揮者の間違った指揮にしかたなく合わせてつなぎ、小さい声で歌いだし、
その後は普通につながり何とか歌い終えた。
指揮者の顔は❝みんな、すまん!❞ていう感じで苦笑いで乗り切り、
二曲目「となりのトトロからさんぽ」、そして最後の天空の城ラピュタの「君をのせて」は感動的に精いっぱい歌い終えた。
階段降りて、舞台袖に下がった時はメンバー皆はっきり言って口惜しかった。
私だけかと一瞬疑ってヒヤッとしたあの舞台上のハプニングはトラウマになりそうだ。
指揮者自身も「いや~すまなかった、どうも頭が混乱してた。」と皆に謝ったのであった。
我指揮者は他の団の指揮を他にも三つくらいやってるが、今回のようなことは本番ではなかったのに、よほど混乱してたのかな?
人間て不思議なものだな。
それにしても、ピアニストの機転でうまく指揮者の誤った指揮が修正できたことを皆感謝して、着替え室ではピアニストに皆で拍手したのであった。
実は今年の春に長年やってきた我団のピアニストがリュウマチの持病でやめて今のピアニストに交代したばかり。
今の新ピアニストは今までにコーラスの伴奏はやったことがないということだったので、初めは皆で心配したのだけど、普段はおとなしいが、今回のことで感心したのであった。
演奏技術ってこういった舞台上でのハプニングにうまく対応していくことなんだなとつくづく思った。
その後は又他の団体の演奏聞いて、最後に合同合唱2曲をこれまた全団体数で大合唱。
合同合唱は中高生もいるし、お年寄りもいるしですごい醍醐味、指揮者も普段の指揮者と違う指導を受けられる。
指揮者は皆個性が違うが、今回はピアニシモの表現のいい勉強になった。
うちの指揮者はフォルテシモが得意なタイプでそれぞれだね。
年齢的にはそろそろ我々も情感込めた弱い響きを上手く表現できるピアニシモがうまい団体になりたいと希望してるんだけどな、指揮者様。。