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2007.12.16
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「J1セカンドシーズン」を振り返るコラム、その4です。


「大木イズム」

「次の試合がありますから、そこへ向けてしっかり準備していきたい。」

試合後の記者会見で大木監督は必ずと言って良いほど、このフレーズを「締め」に使ってきた。

最後まで諦めるな。前を向け....。

チームを率いるものとして常に選手に「前への意識」を植え付けてきた。

そんな大木監督が一度だけ試合後に口した言葉を悔やんだ事がある。

第32節の大宮戦後の会見で「限りなく0に近い勝ち点1かな。」と洩らした。

しかし、翌日には「違うよな。やっぱり次に繋がる勝ち点1だよな。」と....


ゲームだけでは無く、ヴァンフォーレの未来にもその目は向けられていた。

フロントとの関係、クラブとしての枠組。

リーグ中断中、補強についてインタビューした際大木監督はこんな事を話しました。

「監督が社長と交渉をやったら駄目なんだよ。統括本部長、強化育成部長はどうなってることになるだろう。そんなチームは他にないからね。社長と監督が直接戦力補強を話し合うなんて....ここはクラブが少しずつよくなるにあたって、大切なポイントだよ。おれはそこまで考えているよ。社長と監督で決めてしまっていいのかって部分だよな。そんなことだったら強化は要らない。しっかりした仕組みを作っていくというのも、クラブにとって大切なんだよ。」

サッカーと言うスポーツの原点を伝えてくれた監督でもあった。

退任が発表された日、ベテランも新人も「どうしたら楽しくプレー出来るか教えてくれた監督」と口をそろえた。

その選手達に対し、大木監督は最終節終了後のセレモニーで「私にサッカーの楽しさを教えてくれた。本当にありがとう。」と語った。


「サッカーはエンターテイメント」が大木監督の哲学だった。

「何かを感じてくれれば良いんだ。サポーターがまたスタジアムに来たいと思わせるような。そんなサッカーをやりたい。」と話しました。


リーグ最終節の前日、大木監督は解任を伝えられた。

社長から握手を求められたが、その手を握り返す事はなかった。

そして、こう言ったそうです。

「まだ1試合残ってますから。最後が終わってからにしょましょう。」と....






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Last updated  2007.12.16 20:55:09
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