桃の家出物語
私は桃です。「猫の桃、物語」続きです。猫の桃が家出をして3日目の事です。ウト・ウトと眠れない日々を過しているある日の朝、「みんな起きて、桃が帰ってきてるよっ!!」 と、家族の家中に響き渡るような大きな声で目がさめました。2階から転げ落ちるように降りてみると、そこにはドロドロになった桃がいるではありませんか、桃は恥ずかしそうに「ごめんにゃぁさい 、かえって来たよ」家族「桃っ!!、お帰り、よく帰ってきたねお帰りっ!!」花とロッキィーも一目散に飛んできて、「ニャァ~ニャァ~、クゥ~ンクゥ~ン」と、2匹共嬉しそうに桃に頬ずりをしています。3日間程の家出は、桃にとっては大冒険だったらしく、大変な思いもしたのでしょう、人間?が変わったように従順な素直な猫になって帰ってきたのです。家出をする前までは私達にも中々なつかず、ケージから自由に出れるようになってからは、自由を満喫するかのように一日中外で遊んで、家の中にもあまり居なかった桃が、無事帰ってきてからというものは、とっても可愛、人なつっこい甘えん坊な性格になってるじゃありませんか、私達が一番驚いたのは、わん公のロッキィーに甘えて付いてまわるようになっ事です。可愛い子には苦労をさせよ、ではないけど、きっと数日間の家出は、桃にとっては大変な苦労だったのでしょう、お陰でぬくぬくと育つ安らぎの有難さを実感したようで、帰ってきてからと言うものは、とにかく甘えん坊な猫ちゃんに変身~です。花「桃おねえちゃん、わ・た・ち、寂しかったよ、お母さん達もロッキィー兄ちゃんもみんな心配してたよ」桃「ごめんね花、つい自由がうれしく、生まれたときの事を思い出し外に出たけど、もうこりごり家出はしないよ」「外猫で生まれた時はお母さんが守ってくれてたんだよね、そのお母さんとはぐれたから私は、この家に貰われてきたのに、まだ何処かでお母さんに会えるような気がしてたんだ」「でも花ちゃん、私は気が付いたんだ、私のお母さんはこの家の家族なんだって事を・・」「3日間、帰り道が分からなくて迷子になって怖かったわ」「お腹はすくし、寝るところは無いし、野良猫には追われるし、良いことなんにも無かったよ」花「どうして帰れたの?」桃「ロッキィー兄ちゃんの匂いだよ、お兄ちゃんがお散歩でいろんな所にマーキングしてるんだよ、その匂いをかぎ分けながら、やっと帰り着いたんだよ」花「ああぁ、だからロッキィーお兄ちゃんに甘えだしたんだね」桃「そうなの、ロッキィー兄ちゃんに感謝してるの、それと可愛がってくれる家族にもね」もう遠出はこりごり」花「遠出でなく、家出でしょ?」桃「もう、いいじゃない、いじめなくても、こうして反省してるんだから」「ああぁっ!!、ご飯の時間だよ花、猫缶食べに行こうよ」こうして無事に帰ってきた桃は、飼い猫ちゃんとしての自覚と品格と物静かさを身に付け出したようです。めでたし。めでたし。 masuko