東京の知られざるはなし
昔、「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ」という大ヒットした映画があり、組織論を語る上で非常に面白かった。映画の中では警視庁湾岸署というのは架空の警察署だったが、お台場や有明地区も人が住み出して、更に観光客など昼間人口も多くなり、2012年に本物の湾岸署が青海に設立された。これは湾岸署に勤務していた警視庁の方に聞いた話し。湾岸署はパトカーよりも船の方が多く持っていた(今は知らない)。当時船は21叟あった。というのはかつて港区に水上署という主に東京湾を管轄する警察署があったが湾岸署はその水上署も引き継いでいるから船が多いのだという。何故そんなに船が必要かと言うと、海に落ちたり流されたりした遭難者を海上保安庁と連携して捜索するのはもちろんだが、海に浮かんだ死んだ人、つまり死体がテトラポットなどに引っかかって通報されると、船で行って救助(実際は死体の引き揚げ)をしなければならないが、これが非常に多いのだという。湾岸署の管轄する海は広大で、荒川の河口から多摩川の河口の方まであり、現実には島である埠頭もいくつもあるから海岸線の長さは193キロぐらいある。193キロつったら東京から焼津までの東海道線ぐらいもあるよ!(ほとんどの人が分からない例えだが)湾岸署の管轄の範囲で海に浮いた死体は、どこから流されてきたか分からないという。私は恐る恐る、それだけ船が必要と言うことは浮かぶ人も多いのですよね?と聞いた。これは公表していない数字だが、、、とその人は言った。私がいた時は1日に1人より多かった、という。仰天である!年間500人前後が湾岸署の管轄で浮かぶというのだ。しかも引き揚げると、意外に腐敗が進んでおらず人の形がとどまっているという。水中だと陸上より格段に死体が傷まないらしい。その為歯型などで身元も割れやすいそうだが、引き上げる船の警察官はほぼそういう作業なのですぐに辞めてしまう(海上保安庁に転職したり)方が多かったという。その中で、レインボーブリッジから飛び込んだ(自殺)人は、死体を見るとすぐ飛び込んだ人だと分かるという。・・・・・・潮の干満にもよるがレインボーブリッジの高さは海面から52メートルぐらいあり、ビルの18〜20階ぐらいから飛び降りるのと同じなので、鑑識で調べると関節がほぼ外れたり骨が折れたりで、全ての骨がバラバラになっている、のだそう。。。